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【分析】データ分析の力 因果関係に迫る思考法 伊藤公一郎

こんばんわ、読書くんです。今回は分析関連の一冊。元々数字好きな読書くんですが、ビジネスサイドにも分析力をというポリシーのもと、よく本を読んでは周りに伝えるようにしております。

 

データ分析の力 因果関係に迫る思考法 (光文社新書)

データ分析の力 因果関係に迫る思考法 (光文社新書)

 

 

【因果関係と相関関係】

著者はシカゴ大学公共政策大学院ハリススクール 助教授の伊藤氏。環境経済学、エネルギー経済学、産業組織論、応用計量経済学の研究と教育を行っているエリートです。

 

本書はタイトルの通り、データ分析でどうやって因果関係に迫るのか、という内容に深く触れています。

 

さてその前に、みなさんは因果関係と相関関係についてはご存知でしょうか。わかっているようでわかっていない方がほとんどでしょう。読書くんも統計を学びはじめてはじめて意味を知りました(恥ずかしい…)以下両方共コトバンクより抜粋。

 

因果関係・・・二つ以上のものの間に原因と結果の関係があること

相関関係・・・一方が変われば他方も変わるというような関係

 

これ簡単に言うと因果関係の方が立証が難しいんです。相関関係は「Aが変わるとBも変わるよね」という事象だけでOK。つまりなぜ両方一緒に変わるの?という理由までは問われていません。法則がわかれば良いのです。

 

それに対して因果関係はすごい複雑。有名な例がアイスクリームの販売量。A社では2017年夏にアイスクリームの販売量が例年の1.5倍になりました。社長からなぜ2017年夏は売上が増えたのか原因をさぐれと命じられて調べたところ、2017年夏は例年よりも1.5倍の費用を使って広告を出していたことがわかりました。じゃあこのまま広告のおかげです、だけで済ませて良いのか、という問題です。

 

まあ簡単に言うと、アイスクリームの売上って他にも要因はありそうですよね。一番考えられるのが気温です。暑ければアイスクリームが食べたくなる、これは誰でもわかりやすそうなものです。他にも商品開発チームが地味に人気商品出していたとかね。とにかく原因と結果は一筋縄ではいきません。

 

これはちゃんとデータの力で立証できるんだぜ、というのが本書です。

本書が教えてくれるビジネスサイドでも必ず抑えておいたほうがいい手法が「ランダム化比較試験(RCT)」です。

 

本書ではこの手法を使って因果関係を特定した事例を多数紹介してくれます。因果関係を特定することが大事なのはなぜか、それは再現性です。なぜそうなったのかがわかれば、正しく横展開ができます。そうすれば思い描いた成果が出やすくなるのです。

 

日本は高齢化社会を迎えますます人手が足りなくなってくる。またAIの進化により簡単ん業務は機械が代替してくれるようになるでしょう。そんな環境下で、より効率的に業務の質量ともに改善させていくために、よりデータの力が必要になってくるし、より日常業務の会話の中でもデータについての話が多くなってくるはずです。

 

本書は数字が苦手なビジネスマンでも、その入口をさっと差し伸べてくれる良書です。データと向き合わなければいけない、でも一歩が踏み出せない、そんなあなたはぜひ本書を手にとって見てくださいな。ではではー