外資ITのお金とキャリアの話

外資ITで働く人がお金とキャリアについて語るブログ

【教養】ぜんぶ、すてれば 中野善壽

こんにちは、外資ITで働く人です。

復帰2作目は結局本についてに戻ってきました。。。本書は初めてAudibleで読むのではなく聴いた形なんですが、めちゃくちゃいいですね。読み手がプロ中のプロです。

今回紹介するのは知る人ぞ知る優良企業、寺田倉庫の元社長のお話。

 ぜんぶ、すてれば

ぜんぶ、すてれば

【今日が全て】

本書は寺田倉庫のを躍進させた中野氏の回顧録。とはいってもこれまでほぼ全ての執筆依頼を断ってきたのだそう。過去の栄光を見せびらかすのは好きじゃないから的な。ここにも中野氏の生き方へのこだわりを感じるところ。

寺田倉庫は知る人ぞ知る優良企業。しかしその立役者は創業者ではなく、創業者一族からバトンを受け取った中野氏だった。本来これだけの成功を収めたらメディアへの露出や講演などいくらでも引っ張りだこ。それでもがんとして表に出てこない中野氏は自分を必要以上に大きく見せることはない。あくまで今日が、今が全て。今あるがままにやるべきこと、やりたいことに全力で取り組むのだと。

 

【シンプルに生きる】

新卒で伊勢丹に入社した中野氏。地味だけど驚いたことに、新卒からずっと給与のいくばくかを寄付にあてていたそう。

ひとつだけ本書のエピソードトークを詳しく紹介するとしたら、花屋の下りが面白い。就活もせずぶらぶらしていた中野氏は、いつも1日の終わりに花屋で一輪の花を買っていたそう。そこのおばさんに「就活大丈夫?」と気遣ってもらったところから伊勢丹へのご縁につながったそう。また伊勢丹での面接の内容もゆるふわ素敵なのでぜひ読んで欲しい。

また中野氏は家も車もなにももたない。必要最低限だけ残してあとは寄付。お金の使い方は自分のこころが決める。お金に惑わされず、あるがままにシンプルに生きるかっこよさが、かっこをつけずに書かれていたという印象。

その信条があるからこそエピソードがいちいち面白い。伊勢丹社員としての海外での活躍。急に台湾に乗り込んで実績を作る豪胆さ。寺田倉庫と関係を持ち始めるときの行動力。どれをとっても中野氏の生き方や考え方が根底にある。

本書は誰もが憧れるシンプルな考え方・生き方を誇張しすぎることのない文章で表現されている。過去や未来に固執しすぎたり、考えすぎて一歩を踏み出せない人へのバイブルになるんではないだろうか。

そして蛇足だけれどもAudibleマジでいいよー。あれは読書が苦手な人でも絶対聴ける。心地よい。話者が優秀すぎ。。。

と最後は意味のわからない締め方になりましたが本日はここらへんでー