外資ITのお金とキャリアの話

外資ITで働く人がお金とキャリアについて語るブログ

【ビジネス全般】スタンフォードの自分を変える教室 平野秀典

こんばんわ、読書くんです。今回は名著シリーズ。

 

スタンフォードの自分を変える教室 (だいわ文庫)

スタンフォードの自分を変える教室 (だいわ文庫)

 

 

【意志力とは】
本書はスタンフォード大学の人気講座である『意志力の科学』をもとに作られています。割りと定性的な人間の悩みによりそってるなあ、とは思いましたが、結局どの時代も誰もが悩んでいそうなテーマなので、こういうテーマには定期的に向き合うことも大事だなと考えています。(人の心は弱いからね笑)

テーマの通り自分を変えることが主たる目的なのですが、その一番のポイントが「意志力」であると、本書は語っています。

その中でシンプルですが腹落ち感が強かったのは「意志力は、「やる力」と「やらない力」だけでは成り立たない。意志力とは、「やる力」「やらない力」「望む力」という3つの力を駆使して目標を達成する力」である、という部分。

やる力・やらない力と言われても意志力だなーと思わされたと思いますが、よく考えたらそれは決断力に近かったですね笑 確かに願って初めて「意志」です。英語でいうとWillですもんね。

また人間ながらに難しいと思ったのは、人間には自己認識能力がありながらも、ほとんどの選択を無意識に行ってしまっている点。 そしてだからこそ、意識的に自分の選択をふり返って意識することで、いい加減な選択の数が減り、意志力を確実にアップさせることができるんだと。ここは部下ができたら是非教えてあげたい点。なぜ計画が大事なのか、なぜ振り返りが重要なのか。どいつもこいつも自分に、人間に期待しすぎなんですよね。読書くんは非常に悲観的なので、そこはよかったなあと思います笑

さすがスタンフォードクオリティw是非いちど手にとってみてください!

本が苦手なあなたはフライヤーで要約を笑

そして電子書籍派のあなたはhontoでぜひ笑笑

ではではー

【ビジネス全般】経済は予想外のつながりで動く ポール・オームロッド

こんばんわ、読書くんです。今回は経済の難しさについて。。。

 


【インセンティブのみで行動する社会ではない】
エコノミストにして「ネットワーク理論」を経済学に持ち込んだ第一人者と言われているポール・オームロッド氏の著書。現代に生きている我々としてはまあまあ「そうだよねー」感がある内容ですが、これを2015年には本として書いていたのだから先駆者的なんですよねえ。

ポール氏いわく、人はインセンティブ(経済的利益とでもいいましょうか)のみで動く時代ではなくなってきたと。というのも、社会的ネットワーク(SNSなどのWEBでのネットワークに限らず、リアルな地域社会や企業組織、家族など)の影響が個人の判断に強い影響を与える時代になってきたからだといいます。もちろん今までもこういった影響が強かったが、ここ100年で更にこれが強まってきたと。

上記マズローの欲求5段階説が大きく関わってきますね。少し前まで大量生産大量消費社会だったのが、最近ではもう物余りの時代とも言われています。ゆとり世代あたりから、完全に必要必需品+αはあって当たり前の時代になってきました。家、テレビ、車、これは郊外・地方にあれば持ってて当たり前。携帯どころかスマホも有ってあたりまえ。ネットには接続できるから、音楽・動画も無料で見聴きできてしまう。

この時代に何か買うことができる、もっといい暮らしができる、ということのみに力を割く人々が少なくなってきた。それよりももっと周りに自慢できる、認められるような体験が必要になってきたなと。

ポール氏は今までの典型的な経済人として「合理的経済人」という単語を使っています。合理的経済人とは「与えられた選択肢に対して、明確な「好き嫌い」を持ち、自身で独立して状態で意思決定する」「 何かを選択する際に、入手可能な情報を全て集めてもっとも適切な判断を下す」「その適切な判断に大きく影響を与えるのが「インセンティブ(誘因)」である 」と。     

この昔では典型的だった「合理的経済人」の合理的という点が、現代人にとっては多分面白くもクソもない条件になってきたんだろうなと思います。合理性では動かない経済になってきた、というよりも人々が経済に合理性を求めなくなってきたんだろうなと。。。面白いですね笑 あくまで触りしか書いてないので、是非一読してみてください。電子書籍派のあなたはhontoで。

ではではー

【人事】リクルートを辞めたから話せる本当の「就活」の話 太田芳徳

こんばんわ、読書くんです。今回は読書くんの得意分野「人事」領域のお話。

 


【企業の採用活動という観点で就職活動を見てみる】
著者は元リクの起業家。なんだか今更リクルートを持ち出して本書くのはあさまry・・・とも思いましたが、と言いつつ手にとってしまいました笑

本書では日本経済の歴史から振り返り、人材要件の推移について語っていました。まあよくみる話ではありますが、ここの変遷の理解は大事ですね。

『かつての日本は欧米の製品を模倣し、磨きをかけて、もっと高性能・高品質に、もっと安価に創ることで業績を伸ばしてきた。全体の戦略も明確で、各組織での方針、目標も明確だった。こういった状態では、決まったことを速く理解し、即行動に移せる人材が必要であった。また現場で改善し続け、品質、効率を磨いていくプロセスでは問題解決能力ができる、基礎的な頭脳が必要だった。また、狭い業界で切磋琢磨し、政府に働きかけ、業界一丸となって世界と戦っていた時代では、企業間の人脈も大事になってくる。そのため上位大学の友人がそれぞれの企業や政府にいたりすると、情報収集も早かったりする。  「なるべく上位大学(人脈)」「受験勉強が得意だった(頭脳)」「素直でなんでも言うことを聞くいい人材(体育会系)」が求められていた。」

ちょっと長い抜粋でしたが、この中には正しい部分とそうでもない部分があるなあと。というのも、結局今でも割りと上記の人材が求められているんですよね笑。今も求められているんだけど、また別のタイプの人材がより求められるようになった、が正しいかなあと。メディアの悪いところは、誇張することだなと、思いますよね。こういう文章見ると笑


『現在では、市場は飽和し、その中のシェアをどれだけ 奪い取れるかという競争になってくる。  全体として決めた戦略も、現場では想定通りにならない。競争相手も別の方法をあれこれ考え攻めてくる。そのため、今求められる能力は、「現場で起こっていることに対峙できる問題解決能力」 「問題解決を支える論理力」 「実際に行動に移せる自律行動力」である。』

まあ一部抜粋で本当の就活の話はぜひ中を見てみてください笑 ただ繰り返しいいたいのは、一部の傾向がその全てだと思わないこと。どの本もメディアも売れるために多少盛っています。内容が大したことないほど盛りグセがあるから、たまったもんじゃないですよね笑 本を読みながら考えることが大事だよなあ、と思わされる一冊でした。
ではではー

【シンギュラリティ】ロボティクス最前線 日経産業新聞

こんばんわ、読書くんです。今日は私の大好きな最先端技術関連。その中でもロボットはやっぱり男の子の憧れですよね笑

 

ロボティクス 最前線

ロボティクス 最前線

 

 

【今後のロボット市場】
本書はどちらかというと情報取得に特化した本。技術市場がどうなっているのか、という話なので今日は箇条書きベースでまとめていきつつ、読書くん的所感を差し込み。

・サービスロボット市場の主要プレイヤーは、ソフトバンク、シャープ、富士ソフト等。 →2020年は国内市場2,000億円に満たないが、2025年には3,000億円、2035年には1兆円に迫ると予測されている。

グラフもあったのですが、清掃用ロボットの伸びがすごい。。。3Kって古い言葉ではありますが、以前ロボットに大体してほしい分野ですよねえ。

・産業用ロボットは今後中国での伸びが最も大きいという予測。
コマツは2015年にスマートコントラクションというサービスを始めた。ドローンや建機を組み合わせて工事を効率化する業者向けサービス。 ・医療福祉ロボットも伸びが大きい。2020年に2,000億円強の市場が、2035年に8,000億円に伸びる。
・国内ロボット市場は全体で、2015年の1兆5,000億円から、2035年には10兆円近くに達する。
GMが工場にロボットを導入したのは半世紀前。
2045年ごろ、コンピューターの頭脳が人間の頭脳を越えると言われている。アメリカのレイ・カーツワイル氏の著書による。


機械と人間、、、というテーマだと「機械との競争」は必読!!!!(また別途紹介しますね笑)

【現在のロボット関連の動き】
・ペッパーはクラウドAIで、人の感情を推定して接した結果をクラウド蓄積して日々改善されていく。
鴻海精密工業はロボットに注力する理由を単価の高さとする。ウエアラブル端末だと単価が安すぎて儲からない。
ラファエロ・ダンドレア氏は世界が注目するロボット研究者。Amazonが買収したロボットベンチャーの共同創業者。ドローン等を研究する。
・会社はキバ・システムズ。物流支援ロボットの会社。Amazonの買収額は約900億円。 ・ソニーコンピュータサイエンス研究所では、2020年のパラリンピックで義足アスリートがオリンピックの記録を上回る事を目指す。義足、義手も進化が進む。
・ペッパーはアップルウォッチと似ている。成功は今後のアプリケーションに依存しているから。
・ロボット事業の成功の秘訣は技術力よりビジネスモデルにある。ルンバが代表的な例。 ・Amazon無人物流の革新を起こそうとしている。アマゾンピッキングチャレンジという、無人で仕分け作業をするロボットの大会。


ロボティクス市場は伸びが半端ないのと、参入プレーヤーがビッグネームすぎてワクワクしますね!子供には一旦片足突っ込ませてみたい・・・笑。ビジネスを作っていく上でこの市場を知っておくのは重要なので是非!ではではー

【ビジネス全般】「仕事」に使える数学 深沢真太郎

こんばんわ、読書くんです。多分いくつか記事を読んでくれてる方はお気づきかもしれませんが、無類の数字好きの読書くんが数学という単語に惹かれて購入した一冊です笑

 

「仕事」に使える数学

「仕事」に使える数学

 

 

【ビジネスで数字を使う時のポイント】
(自称)ビジネス数学の専門家である深沢氏の著書。
数字に強い人、っていうのはどういう人だろうと考えることがあるのですが、深沢氏いわく、数学が出来る人は、計算が速い訳ではないと。数値をぱっと見て、違和感にすぐ気付けるとのこと。ここはすごい納得なんですが、違和感に気づける理由まで記載してくれるといいですよね笑

読書くん的な観点で言うと正直これは「経験」がものをいうと思っています。どれだけ数字にもとづいて物事を考えてきたかという点かなと。というのもよく聞く話ですが、すごい経営者というのは、決算書とかをみて、おかしいところ(計算とかロジック)にすぐ違和感を覚えるらしいんですね。稲盛さんとか永守さんレベルの例でよく聞くんではないでしょうか。それも稲盛さんの場合は、門外漢の分野でもそれは同じだと。なので数字に強くなるというのは、数字に基づいた思考の経験量だと考えるのです。

また、これもいいワードだなと思ったのが、「ビジネスで決断はしない。数値で選択出来る。」という点。例えば戦略Aは好況なら売上300万円、不況なら100万円。戦略Bは好況なら700万円、不況なら-200万円。どちらを選ぶか。もし好況と不況の確率が2分の1だとすると、期待値は戦略Aが200万円、戦略Bは250万円。この場合戦略Bを迷わず選ぶべき。

上記みたいなロジックをちゃんと通すべきで、意外と確率論ではなく、主観で選んじゃう人が多いですよね。スタートアップとかベンチャー系の企業で、とにかくスピード感が大事!経験で売れる営業ならOK、GoGo!!!みたいな感じならいいですが、それこそ1000名を超えるような企業になってきたら、専任ので分析・企画をおき、営業戦略を作っていくはずです。

そうなったときにちゃんと分析・企画担当と話ができるように、営業の人も数字を常に意識できるといいですねえ。とりわけ数字に弱い営業マンにおすすめの本でした(笑)電子書籍派のあなたは、hontoで!

ではでは

【人事】「強い会社」を作るための採用・育成のしくみ 河本英之

こんばんわ、読書くんです。今回は採用・育成関連!読書くん、役職者なのでここらへんの話は避けては通れないんですよねええええ。

 

「強い会社」を作るための採用・育成のしくみ

「強い会社」を作るための採用・育成のしくみ

 

 

【良い採用とは??】
本書は採用は採用でも、新卒採用に焦点が当たっているようです。とはいえ、根本は同じ(もちろん細部は違う)。新卒採用だろうが中途採用だろうが、採用に関わる人には有益な情報が詰まっています。

その中でも印象的だったのが「ミスマッチがローパフォーマーを生み出す 」というワード。これは確信をついてるんですよね。簡単に言うと本当はハイパフォーマーでも、何かしらのミスマッチが実は生まれている採用だと、全然実力が出せずに萎れていくんです。

一番顕著なのが「社風」ですね。つまり会社の雰囲気に合わない。そうなるとどうなるかというと、誰とも仲良くなれないんです。どんなハイパフォーマーでも孤立無援の中でパフォーマンスを出すのは相当キツイ。もちろん営業会社でずっと一人で戦うんだ、くらいの気概ならいいですが、世の中のほとんどはそのパターンはいません。

なので採用で一番避けなければならないのが「社風のミスマッチ」だと読書くんは考えています。

さて一番最初に一番大切なことを言ってしまったので、あとは蛇足w採用戦略の立て方について記載があったので要約を記載しましょう。

・採用戦略で欠かせない3つの視点
⇒自社視点、競合視点、学生視点という3Cで考える
⇒企業の魅力を整理するフレームワークを用いて分析
①ブランド、価値観 ②事業、仕事 ③人、風土 ④制度、環境

この分析がどの企業も本当に甘い。。。。これ、24時間365日考え続けなきゃだめですからね?市場も変わるし、ライバルも変わるんだから。

何故か採用となると、候補者次第~といってさじを投げる人が多いです。自社製品が売れないと営業担当を死ぬほど詰めるくせにね笑 採用も戦略的にやれば必ずうまく行きます。一番大事なのは改善しつづけること。とある記事でKaizenPlatformの須藤氏が言っていました。少なくとも3回はトライアンドエラーをしないと成果はでないと。裏を返せば濃密にトライアンドエラーを3回繰り返せば、大体何かしら成果はついてくるということです。

なんか本の紹介より読書くんの見解が遥かに多いという意味の分からない回になって恐縮ですが是非一度お目通しを!笑 電子書籍派はhontoさんで。
ではでは

【ビジネス全般】偏差値・知名度ではわからない就職に強い大学・学部 海老原嗣生

こんばんわ、読書くんです!今日は昔採用に少し関わっていたこともあり興味が湧いた就職関連。

 

偏差値・知名度ではわからない 就職に強い大学・学部 (朝日新書)

偏差値・知名度ではわからない 就職に強い大学・学部 (朝日新書)

 

 

【就職ってどう変わっていくと思う??】
大前提、読書くんの自説だけお話しておくと、あと5年くらいでこの本はあまり意味がなくなると思っています。就職に強い、って書いてありますが、5年後の大卒にとってどんな仕事をすることがよいと思いますか?エンジニアとか技術者になれば間違いないんじゃない?なんだかんだ公務員だよ、とか色々あると思います。

でもここ数年、技術の進歩がエグい。。。スマホアプリもコロコロ流行りが変わっていきません?その昔、ミクシイが全く使われなくなるなんて誰が想像しましたか?あのころの読書くんは物知り顔で「Facebookは日本では広まらないよ」と吹聴していましたが、真っ赤なウソだったことを鮮明に覚えています笑

とはいえ、その上でも、こういった分析を行うことに一定の意味があると思うのです。ただ有名ということに踊られては損をします。だって大学はあくまで社会に出るための教育機関ですから。その前提で面白かった数値だけ共有しますね。※2012年出版なので、それを前提で目を通してみてくださいね!読書くんはあくまで分析が大事!ってことでこの本を読んでるだけですので。

◯当時の前提   
毎年55万人が卒業⇒就職が決まる学生は34万人⇒20万人程度は就職ができない⇒進学、留学、資格取得なども含まれるが、就職が決まらなかったため、そうした道を選んだ学生も多い  

◯大卒就職に関するデータ   
バブル期の絶頂の大卒就職数(80年代後半)29.5万人 ⇒00年代:36.7万人 ⇒11年:34万人 ⇒つまりバブル期よりも増えている。  
◯従業員1000人以上の企業の採用データ   
80年代後半:9.1万人 ⇒00年代:13.1万人 ⇒11年:13.7万人
データからはバブル崩壊により、就職氷河期が来たとは言えない。
⇒産業構造の変化により、高卒求人が減り、大卒求人が増えた
⇒ではなぜ氷河期が来たのか ⇒大学生が増え過ぎた
1985年大学数は450校、2009年大学数は772校 ⇒大学数で7割、学生数でも6割近く増えている ⇒一方、求人は2割の増加なので、学生の増加には追いついていない

バブル期から現在までの雇用状況の変化  
△減った仕事(産業の空洞化、不況による公共事業削減、グローバル化による国際競争力)⇒製造、機械運転、建設(-425万人)、農林作業(-201万人)  
★増えた仕事(本社機能や研究開発機能)⇒管理的・専門的/技術的・事務(+345万人) 、販売・サービス(+198万人)  

■減った仕事は、高卒就職の受け皿、増えた仕事は、大卒就職の受け皿  
この20年で高卒就職の領域の産業が、壊滅的な打撃を受けた⇒その結果、高卒就職者は、この20年で51万人から17万人に減った⇒思うように就職できない高卒者が増え、結果として大学進学者が増えた⇒その受け皿となるセクターでの求人数が、(増えてはいるが)追いつかず、氷河期になった。

この時点で面白いのは、負の循環が生まれているのではないかということ。高卒で就職できるなら、高卒で就職する人って一定いると思うんですよね。それが世界に通用する中小企業とかにうまくフィットして就職すれば、事業承継問題とかも解決したかも。それなのに社会がなぜか高卒の受け入れを減らしたことで、無駄に大学に行く人が増えて、それだけ社会に労働力が投入されるタイミングが減っている。かつ、大学に行っても日本人は大して勉強しないため、本来高校で規則正しく学んでいた一定層も、ただの無気力な若者に成り下がっている。

日本のシステムはなぜいつも無駄が多いのか。このムダの結果表現者が増えればいいんだけど、増えないですしねえ。過去の本を読むと今の機能不全がいつから起きていたのかということに、ふと気づいたりするので面白いですよね。

もし時間があれば読んでみてほしい一冊でした。ではでは