外資ITのお金とキャリアの話

外資ITで働く人がお金とキャリアについて語るブログ

【マーケティング】売上につながる「顧客ロイヤルティ戦略」入門 遠藤 直紀・武井 由紀子

こんばんわ、読書くんです。今回ははみんなだいすき戦略系です。

 

売上につながる「顧客ロイヤルティ戦略」入門

売上につながる「顧客ロイヤルティ戦略」入門

 

 

【顧客ロイヤルティ経営】
マーケティングコンサルをする業界では名前が知れ渡っているビービット社長の遠藤氏と、同社取締役の武井氏の共著。

Web・IT業界ではここ何年かバズワードの「ロイヤルカスタマー」を作り出す妙について語っています。よく勘違いしがちなのは「ロイヤルカスタマーは売上上位顧客だと考える経営者が多いが、実際はそうとは限らない」ということ。

その中には他社への乗り換えが面倒だから仕方なく使っているという顧客が、上位顧客の半数を占めていることもある。真のロイヤルカスタマーは、「企業を信頼し、継続購入や親しい人への推奨を行う」、つまり代わりにファンを作ってくれるお客さんファンが増えると、長期継続や口コミによる新規顧客獲得、顧客維持コストの低下だけでなく、顧客の感謝の声による社員の働きがい向上につながる。後者はロイヤルカスタマーづくりにおいて中々意識しない点なのでは!!??


ロイヤルカスタマーについておさらいしたところで、ようやく「顧客ロイヤルティ経営」 について。とはいえ簡単に言うと、企業や商品への愛着や信頼を感じてくれるロイヤルカスタマーの創出をめざすこと なんですね。まあそのまんまですよね(笑)。

【ロイヤルカスタマーを生み出すための2つのポイント】
1つ目は、自社の特性を踏まえ、正確にロイヤルティを可視化できる指標を持つこと。
その指標で、顧客の主観を測定し、必要に応じて改善を行う。

2つ目は、カスタマーエクスペリエンス(顧客体験価値)を改善すること。
顧客と企業(商品やサービス)とのかかわりを、顧客の時間軸に沿った一連の「体験」ととらえ、プロセス全体を最適化すること ・最近主流になっているロイヤルティ指標は、「NPS(正味推奨者割合)」。NPSのメリットは、競合や代替との比較の観点が入るため、顧客の購買行動や収益と相関しやすい 。顧客ロイヤルティを低下させる状況をあぶり出すための「CES(顧客努力指標)」というロイヤルティ指標を採用する企業が、アメリカでは増えている ・カスタマージャーニーマップ⇒顧客が商品・サービスを購入・利用する際に、その企業との接触点で発生するやりとりや、顧客の期待・感情・行動を詳細まで可視化し、一連のストーリーのようにとらえること 。

NPSやCESは初耳という方が多かったのでは?まだまだ専門的な言葉が色々出てきますが、WEB・IT系で働く人には知っておいて損がない知識ばかりかと!!!読書が苦手な人はフライヤーを!

そして電子書籍派はhontoを!

ではではー

【マーケティング】「時間消費」で勝つ! 松岡 真宏・松本渉

こんばんわ、読書くんです。今回は読書くんがディスカッションテーマとして好きな「時間の奪い合い」について。

 

「時間消費」で勝つ!

「時間消費」で勝つ!

 

 

【すべての娯楽が時間を奪い合う時代】
本書は「時間消費」に焦点を当てたお話。まあこのワードだけでは???ですよね笑
ただみなさんのここ20年くらいの歴史を紐解いていけば、結構すんなり腹落ちするかと思います。

その大きなポイントが「通信環境」と「スマホ」(前者は読書くんの意見笑)。本書ではスマホの登場が「時間価値」を大きく変えたと言っています。なぜならスマホ保有することで、移動に伴う「かたまり時間」も「すきま時間」も自在に活用できるようになったから。そのため、商売を行う企業側も、そのような消費者の変化に対して、マーケティング戦略や商品戦略で大きな転換が迫られることになったと。

ここでちょい待ち!と思ったのが前述した「通信環境」にもちゃんと焦点を当てようよ、ということ。読書くんが幼いころに携帯持ち始めた際、携帯でできることなんてたかがしれていたからね笑 。思うにあくまで通信環境が改善されたからスマホが生まれたと思っていて、その後にスマホのためにより通信環境改善がされたという印象。

「すきま時間」でプライベートなことをしたり、その逆をしたり、ということが今後は日常茶飯事 ・テーマパークや外食など、有形物ではない時間消費が主流となってきていると。つまりモノとコトが融合する時代になってきたよねと。

その中でモノを売るためには、そこで費やされる時間の価値を高めることが重要になる。消費者はモノの対価としてだけお金を支払っているのではなく、高められた「時間価値」にお金を支払っているんですよね。

時間を、そしてお金を使ってもらうのにこんな複雑な時代になっているのか、、、と思うと現代で生きていくのも楽ではないですね笑 なんか勢いだけのタイトルになりますが学びが多いので是非一読を!


ではでは

【ビジネス全般】コンサルティングの極意 論理や分析を超える「10の力」 岸田 雅裕

こんばんわ、読書くんです。今回はよく見るタイトルシリーズ。

 

コンサルティングの極意: 論理や分析を超える「10の力」
 

 

【鼻持ちならないやつになるな、好かれろ】
読書くんが本書から感じたことは上記のみです笑。簡単に言うと受け入れられなきゃ意味がない、そのためにも傾聴力からの結果にコミットが大事だよと。でもこれって中々実際には難しいですよね。特にコンサルって図を描いて提出して、まあやるかやらないかはお客様の自由ですよスタンスが長かった業界。著者の岸田氏はA.T. カーニー 日本代表。彼が言うからこその重みはすごいですね。

昨今最もコンサルタントにとって大事なのは「聞く力」であると。コンサルタントとは自分が正しいことを証明する職業ではなく、最終的には相手がアイデアを実行するところまで行かないと意味がない 、提案を受け入れてもらおうと思ったら、まずは話す力ではなく、聞く力のほうが重要。

これはプロジェクト推進するときに思うのですが、大きなプロジェクトを推進するときほど他人に動いてもらわなきゃいけないんですよね。まあ個人事業主として中小企業のコンサルするくらいならいいですが、いわゆる経営コンサルにFeeを払えるのは大手だけなので、そんな可能性はほぼ皆無w

ただ「聞く」といっても、ただ黙っているのではなく、実りのある会話を重ねて、相談をするに足る人間だと思ってもらわないといけないのであると。人間話をしているときが一番気持ちいい、かつその中で話を邪魔されずにちょくちょく気づきがあるよな返しをされたら間違いなくその人に惚れるよなあと。ただそのスキルあったら多分とっくにトップコンサルタント笑 とくに傾聴力は奥が深い。相槌自然に打てるのも才能だと思ってます、読書くんてきに笑

【「聞く力」を養うためには】
直近聞くことが大事、という本は多く出てるんですが、そのために何をすればいいかが大体薄い・・・ただ本書では聞く力の醸成のために、語彙力を磨くことが重要という示唆をしています。なぜ語彙力が大事なのか・・・は是非本を読んでみて下さい笑

A.T. カーニー 日本代表の本は伊達じゃないですよ笑 電子書籍派のあなたはhontoで是非。


ではではー

【ビジネス全般】アップルvs.グーグル: どちらが世界を支配するのか フレッド ボーゲルスタイン

こんばんわ、読書くんです。今日は今世紀もっとも胸熱なグローバル企業2社について書いた本です。

 

アップルvs.グーグル: どちらが世界を支配するのか (新潮文庫)

アップルvs.グーグル: どちらが世界を支配するのか (新潮文庫)

 

 

【IT時代の覇者はどっちだろうね】
フレッド ボーゲルスタイン氏は米ワイアード誌の寄稿編集者として、技術およびメディア産業に関する記事を執筆している方。そのため本書の特徴としては、いわゆるニワカがわからに単語がちらほら見えるところ(=つまり私はニワカなので、ググりつつ読むしかなかった笑)。

このテーマは、以前のMicrosoft vs Appleと比較されがちだが、そんなに単純な話ではないとフレッド氏。PC覇権争いはApple Macintosh vs IBM-PCで始まり、その争いを征したのはIBM-PCのOSを提供したMicrosoftポータルサイト覇権争いもYahoo! vs MSNで始まり、その争いを制したのはYahoo!ディレクトリ検索を補完してロボット検索を担っていたGoogleだったと。

イノベーターを倒したのは挑戦者ではなく、イノベーターのパートナーである二社だったのが非常に印象的!つい5年前まで「世界をマイクロソフトから守る企業連合」だった2社。グーグルは検索連動型広告業者で、アップルは情報機器開発販売会社でしかなかった。アップルの創業者スティーブ・ジョブズは、みずから若いグーグル創業者たちの後見人を任じ、シリコンバレーの守護神、元副大統領のアル・ ゴアはグーグルの顧問でアップルの取締役でもあった。

IT業界はIC(集積回路)の発明以来、選ばれし二社の対立構造で発展してきた。それがPC用CPUにおけるインテルVSモトローラ 。初期のOSにおけるマイクロソフトVSデジタルリサーチ。そして近現代がスマートフォンのアップルVSグーグルであると⇒これは現在完全にアップルが勝ちましたね笑

最近読書くんてきに面白いな、と思ったのは、コンテンツを制するものが勝つのかなーと思っていたんだけど、コンテンツの広がりに限界が見えはじめて、いまやデザインを制するモノが勝つんじゃないか!?とも思い始めました。つまりCoolなところが勝つのではと。そういう意味ではアップルがここから勝ち続けたらマジでおもしろい笑 そしてできればいつか日本企業がこの競争に参入できればなあと、愛国家の読書くんは願いつづけます笑

ではではー

【マーケティング】グロースハッカー ライアンホリデイ

こんばんわ、読書くんです。今回はおそらく3年前~2年前くらいでもっともバズったワードについての本。

 

グロースハッカー 第2版

グロースハッカー 第2版

 

 

【グロースハックって?】
ライアンホリデイ氏は米国大手アパレルメーカーのアメリカンアパレルマーケティング・ディレクター。

グロースハックとは製品製作とマーケティングを同じプロセスとして行う方法。まあ簡単に言うとマーケの知見活かしながら製品開発しようぜ!ってことかなと。

【追伸愛してるよ】
本書で最初に活かしてるなあと思った事例はHotmailHotmailはメールの最下行に「追伸 愛してるよ。Hotmailで君も無料メールをゲットしよう」と表示させたことで、メールが全て広告になり拡がった!また、この流れを追跡、調整改善してユーザーを増やしていった結果、半年以内に100万ユーザー獲得、1997年にマイクロソフトが買収した時点で1,000万人近くまで増えていたという(Amazing!!!)。

そして30ヶ月で3,000万ユーザー獲得、これをただメールの仕様を少し変えただけで成し遂げたというのです!すげえ!! グロースハッカーは、検証追跡測定出来るものだけを用い、殆どお金をかけないのである。


【プロダクトマーケットフィット】
他にもInstagramは、Burbnという位置情報を利用する写真機能付きSNSとしてスタートした。写真機能にのみ、ユーザーが夢中になっている事に気付きInstagramができた。1週間で10万ユーザーを獲得、18ヶ月後にはFacebookに10億ドルで買収された。

大事なのはプロダクトマーケットフィット(PMF)と呼ぶレベルまでプロダクトを成長させること。プロダクトマーケットフィットとは、提供価値が最低でも1つはしっかり伝えられるプロダクトになっているか、プロダクトを一言で説明できる状態になっているかということ。

グロースハッカーPMFになるのを待つのではなく、PMFの到達も仕事の1つとする。 まず第一に、製品を改良する事が最良の戦略になる。マーケティングの技を身につける事ではない。最初に市場に参入した者ではなく、最初にPMFに到達した者が勝つルールに変わった。AirbnbがCraigslistにも貸し出す部屋を投稿出来るツールを開発したグロースハックの例は、技術的知識がなければ思いつかなかっただろう。

ここのバランスが難しいからこそ、グロースハッカーは希少なんだよなあと思わされた本でした。是非手にとってみてください!電子書籍派のあなたはhontoで。

ではではー

【マーケティング】いちばんやさしいコンテンツマーケティングの教本 宗像淳・亀山將

こんばんわ、読書くんです。ここ1年くらいで一度バズワードになったコンテンツマーケティングについての本を手に取ってみました!

 

 

【コンテンツマーケティングとは】
株式会社イノーバ代表の宗像氏の著書。なにげにベンチャー界隈にいると小耳に挟んだことがある社名(だと、読書くんは思ってるんですが違うかな?笑)

本書はビジネスというフィールドで活躍したい!と思っている人全員に読んでもらいたい本。というのも、私達の世代は、広告に頼らずビジネスする考え方を身につける必要があるよねと。そしてネットマーケティングも、CPC、CPAの考えからLTVがメインになってきたリスティング広告は、今すぐ客を狙うものだから、ビッグワードの価格が高騰しちゃってるんですよね。みんながみんなネットマーケティングに集中した結果、やっぱりお金がある人がそれなりに力を握る手法になってきたんじゃないでしょうか。

ただ、今も変わらずかけられる金額ではなく、創意工夫で戦えるのがコンテンツマーケティングであると。なぜならコンテンツマーケティングは、価値あるコンテンツ作成を通して顧客ニーズ育成と購買を経てファン定着を目指すマーケティング手法。

①価値あるコンテンツをつくる②顧客を育てる③ファン化する

という順番になります。この典型例がSNSを使ったマーケティングですね!グループを作り、コンテンツを発信し続け、ファンになってもらって購入してもらうと。面白いものは「いいね」や「リツイート」によって無料で拡散される。もちろん有名人を使う、というお金をかけた手法はありますが、それは極稀だと思います。それくらいネットの住民は単純に面白いか、を評価する傾向にあると思うのです。

「創意工夫だけで無料でモノがうれるなら、こんなに良い手法はないね!やろう!!」となるかと思いますが、コンテンツマーケティングSEOSEMよりもリーチ顧客は多いものの、購入に至るまでは遅いんですね。というのも最初の接点が、◯◯がほしい!といって直接検索してきたお客さんとかではなく、なんとなく面白いものをネット上で探していたらそのコンテンツに出会った!という温度感から始まるから。そりゃ「買う」になるまでの道のりは果てしなく遠い・・・w

また知る⇒ファンになるという道も遠く、ここまでのストーリー作りがすごい重要になります。継続的にコンテンツも更新する必要があり、片手間にできる仕事ではありませんので、極力コンテンツマーケターを置くことが必要です。専任を置くという人件費をかけ、ファンづくりまでの長い道のりを描き続けられるのか、これができるなら本気でGoすべき施策だなと読書くんは感じました。世の中のマーケティングの流れを知りたい、自社製品を今までと違った手法で拡販したい、そんなあなたは是非手にとってみてください!いつもどおり電子書籍派のあなたは是非hontoで。

ではではー

【自伝】巨象も踊る ルイス・ガースナー

こんばんわ、読書くんです。今回は意外とひさしぶりの自伝シリーズ。

 

巨象も踊る

巨象も踊る

 


【企業を変えるということ】
本書は元IBM会長兼CEOのルイス・ガースナー氏の自伝。IBMを巨像と例えるのがオシャレですね笑

本書はガースナー氏のIBM再建の軌跡を追う本。組織再生の観点から言うと、大なり小なり組織全般で起こりうる話ばかりで非常に興味ぶかかった。

これはHitRefreshでマイクロソフトのナデラ氏も行ったことだが、まずは抜本的に風土を見直すこと。たださすが古い体質だけあって、改善する点が大きくてひどい笑

・官僚体質を取り除く事⇒IBMっぽい笑
・建前でレイオフを行わないというのをやめる事⇒ここも典型的古参大手って感じ
・幹部にリーダーシップを求める事⇒ここは同じ
・幹部にチャンスを与えること

上層部がまず変わらないと、組織は変わらない、というのはあらゆる再建本で言えることですね。そして変わることができたら、今度はメンバーたちにその熱意を伝播させなければならないと。

腐ってもIBM、その幹部たちの考えを根本から叩き直すことに着手するという決断は、やらなければならないことだとしても相当な胆力が必要。。。

更に箇条書きでガートナー氏の方針を抜粋
・社内政治をする幹部は解雇
・戦略策定に全力を尽くす
・悪いニュースを隠さない。但し問題の処理は委ねて上に上げず、横の連携で解決する。 ・会議は最小限にして肩書に影響されない

様々な再建の話で共通するのは「正しいことをやる」「情報の可視化」「無駄の排除」だなあと。ただこれをIBMだったりマイクロソフトレベルの規模でやるのがすごい、スコープ広すぎ笑

そしてこのグローバルトップ企業の経営者の考えを濃密にまとめたものに数時間で触れられるのが本のすごさだなと。本が好きで良かった笑

ではでは