【仕事術】ロジカルになりたい人ほど読んで!〜孫社長にたたきこまれたすごい数値化仕事術 三木雄信〜
こんにちは、読書くんです。お久しぶりなお昼(朝?)の投稿失礼します。今回は元孫社長の右腕、三木氏の一冊。
【その数値は何を根拠に喋っているの?】
著者は元ソフトバンク社長室長、現ジャパン・フラッグシップ・プロジェクト代表の三木雄信氏。
最近この傾向が顕著になってきたと思っているのですが、「数値で語れ」「数値化しろ」ということを仕事の場で口酸っぱく言われている人が多いのではないでしょうか。にもかかわらず、現場からは「資料を作っている時間が長いが、この資料が何の役に立っているのやら」とか「数値化しただけで、結局何も変わっていない」などの不平不満も同時にはびこっているように思います。本書はビジネスにおいて本当に使える数値とは何か、をわかりやすく解説した一冊です。
・「どうだったか」はいい、「どうしたいか」を話せ
これが孫社長の口癖だったといいます。そしてこのために数値が必要なのです。著者いわく数値化は自身の目的のためにするものであり、上の指示があってするものではないと力強く書いています。ものすごくこの内容がしっくりきたのが、本書における「パレート図」の章にて。
一大新規プロジェクトを発足した結果、サービスリリースから鳴り止まないコールセンターへの電話。コストはかさみ顧客体験も悪くなる一方で、これは社として一番に解決しなければならない課題。現場としては肌感としてオペレーション改善ではなく、商品そのものに問題がありそうであるということに気づいているが、上からはオペレーション改善をしろとしか言われない状況。さああなたはどうするか?
著者いわくここで数値化が大きな力を発揮すると。パレート図分析は「優先的に解決するべき課題」が視覚的にぱっとわかるような分析図です。具体的には「複数の項目についてデータの値が大きい順に並べた棒グラフ」と、累積比率をあらわす折れ線グラフ」で構成される二軸の図です。
<イメージ図>
もうこれで何から解決すべきか一目瞭然ですよね。「お」から解決しなきゃ!とか言ってきた上司がいたらぶん殴りましょう笑 なにをこんな簡単なことをと思う人もいるかと思いますが、実際にこうして分析をして可視化して進言できている人たちがどれくらいいるでしょうか。またこういった分析がどういった場面で活用できるものなのかを具体的にイメージできる人がどれほどいるでしょうか。本書はそのイメージをものすごくわかりやすく付けてくれます。
そして本書の回しものではないのですが、すばらしいところは「実際にエクセルで各分析手法をどうやってやればいいか細かく解説がついているところ」!!!!。これが涙が出るほどありがたかったです。(まあ言い換えればやってる感があるってことなので、ここで満足してはいけないのですが。。。w)
他にも単回帰分析・重回帰分析とかもすごいためになりました。ここは「確かに」くらいの説明にしますが、例えば物件探しているときに、なんとなく「お得じゃん!」と思う物件があるとしますが、すごい冷静に考えると家賃を決めいている項目って多すぎて、本当にお得なのかの判断って難しいですよね。平米、階数、駅からの距離、沿線数、築年数。。。もうありすぎでしょ!って悲鳴を上げたくなります。この多項目について分析できるのが重回帰分析です。
ビジネスでも今までの傾向から新たに販売戦略を出すときに、一つの要因だけで成り立つことはないはずです。過去これくらい売れたから、今後もこれくらい売れるはずです、なんて報告絶対できないですよね笑 とくに数値に厳しい経営陣と戦うには、こっちも数値なんです。そしてビジネスの場で戦える数値化術を授けてくれるのが本書なんですよねー。とこれじゃあやっぱり回し者ですねw とにかく騙されたと思って一度読んで下さい!本気おもしろいです!!みなさんの仕事への意識が本書を通じて少しでも変わることを願っています。ではではー
【人事】表彰制度 会社を変える最強のモチベーション戦略 太田肇
こんばんわ、読書くんです。今回は組織活性化に薬とも毒ともなる表彰制度についての一冊。
【それは誰のための制度か】
著者は同志社大学 政策学部 教授の太田肇氏。専門は組織論で、とりわけ個人を生かす組織・マネジメントについて研究している人物。
「表彰は、使い方によっては特効薬にもなれば、猛毒にもなる。」と著者は言います。アメリカでは、企業でも役所でもたくさんの表彰制度が取り入れられていますが、それに比べて日本は普及度合いが低いのが現状です。
よくメディアでも取り上げられるのでご存知かと思いますが、仕事に対して、意欲的である、とアンケートに回答する人は日本は非常に少ないです。同じ先進国のアメリカ、イギリス、フランスなどと大きい差があります。
現代が「やり甲斐」の時代になってきましたが、それでも「承認欲求」は変わらず人間の欲求の中で大きな割合を占めています。むしろ「やり甲斐をもって何かしている自分どうよ?」を認められたい・褒められたいという欲求が大きくなっているようにも感じるので、深刻化しているかもしれませんね笑
この承認について面白い研究結果が出ているのが、「アンダーマイニング効果」というものです。これによると、仕事そのものに動機づけられているときに外から報酬が与えられると、逆にモチベーションが低下するといいます。
ここでようやく表彰の話に戻りますが、表彰のメリットはモチベーション向上がメインです。またメッセージ効果という副次的な効果もあります。これは受賞者を見れば、メンバーに何が求められるかが分かる、つまり社員に「これがベンチマークだよ」というメッセージを送ることで、社員の目標が定まったり、視座が高まるということですね。
ここからは実際に企業名も記載した事例を列挙していました。
例えば共進精機株式会社は、3S活動に力を入れており、毎年3S活動をチームごとに20分プレゼン。その場の採点により、優秀賞を決めていくという表彰制度を設けています。
他にも太陽パーツ株式会社では、大失敗賞を与え、前向きな挑戦をしたにも関わらず結果的に失敗した人を表彰しています。これはとりわけ会社が何を大事にしているのか、というのを社員に伝える意味でわかりやすい事例ですね。
IT業界有名なのは、サイバーエージェント。同社では半期ごとにベストプレーヤー、ベストマネージャー等12の賞で表彰しています。また、部署ごとに毎月の締め会で表彰もしています。表彰はレッドカーペットの上で華やかに行われる等演出にも力を入れているのも特徴的です。
報酬と名誉が、モチベーションの2つの柱なのですが、サイバーエージェントはとりわく後者を大事にした表彰の雰囲気作りを徹底しているというこ、とですね。
表彰は奥深く大きな効果を発揮することもあれば、逆に社員のモチベーションを大きく下げることもあります。選考プロセスが不明確、あきらかに出来レースの選出などは社員から働く意味を簡単に持ち去ってしまいます。
会社づくり・組織づくりに携わる方にはぜひ読んでみて欲しい一冊。空いている時間に一読を!ではではー
【歴史】現代語訳 論語と算盤 渋沢栄一
こんばんわ、読書くんです。今回は歴史から学ぶ一冊。
【愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶ】
著者は江戸時代末期から大正初期にかけての日本の武士、官僚、実業家だった渋沢栄一氏。日本の実業界、資本主義の制度を設計した人物として知られている。
もともと「資本主義」や「実業」とは、自分が金持ちになりたいとか、利益を増やしたいという欲望をエンジンとして前に進んでいく面があります。ただし欲は原動力だと思うため必要ではあるが、人としての品格が求められるものです。
そのため、論語は「人はどう生きるべきか」「どのように振舞うのが人として格好よいのか」を学ぶ教科書として、資本主義社会における重要性が益々高まっています。
その中でも著者が大事にしていたのが、士魂商才(武士の精神と、商人の才覚とをあわせ持つこと)。自立する上で武士のような精神だけなく、経済で自滅を招かないように「商才」が必要だということです。そして士魂も商才も論語で養えると著者は言います(すごい!万能!!)。
「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし」
指導的立場にある人物は、広い視野と強い意志力を持たなければならない。なぜなら、責任が重く、道も遠いから。自分が立とうと思ったら、まず人立たせてやる。自分が手に入れたいと思ったら、まず人に得させてやる。ここらへんは7つの習慣や、影響力の武器で語られている返報性の理論ってやつですね。
世の中のことは、「こうすれば必ずこうなるものだ」という原因と結果があります。適材が適所で働き、その結果として、なんらかの成績をあげることが、その人が国家社会に貢献する本当の道だと。
上記はノブレスオブリュージュの考え方を思い出させますねえ。位高ければ務め重し。読書くんてき解釈だとこれも適材適所的なひとつだと思っています。位が高い=能力が高い=それ相応のキツイ仕事が待っていると。ただ位ごとにそれ相応の仕事があるんだからみんなそれぞれの持場は守ろうな、的な意味だと勝手に解釈して、よく使っています笑
精神の向上を、富の増大とともに進めることが必要であると信じている、と著者は言います。経験の少ない若い人に、初めから重要な仕事を与えるもではない、どんなに些細な仕事でも、それは大きな仕事の小さな一部であるから。任された仕事は小さな仕事でもやる、些細なことを軽蔑することなく、勤勉に、忠実に、誠意を込めてやり遂げる。大きな志と枝葉となる小さな志のバランスが重要で、志を立てることは、人生という建築の骨組み、小さな志はその飾りだると。
長くを生きてきた偉人だからこそ、心の幹の部分が腐っていては大義を成し遂げられないことを実感しているんだろうなあと。愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶ。ぜひ手にとってみていただきた一冊です!ではではー
【ビジネス全般】フリーエージェント社会の到来 ダニエル・ピンク
こんばんわ、読書くんです。今回は過去何回か登場したダニエル・ピンク氏の一冊。
フリーエージェント社会の到来 新装版---組織に雇われない新しい働き方
- 作者: ダニエル・ピンク,序文:玄田有史,池村千秋
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2014/08/29
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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【フリーエージェントとは、時代はどう動いているのか】
昨今働き方改革とあいまって流行ってきたのがフリーエージェント(フリーラン)という働き方。フリーエージェントという働き方が登場した背景は以下の四つの変化があげられると著者は言います。
1)経済の「子供時代」の終焉
従来の労使間の社会的契約、すなわち従業員が忠誠心と引き換えに会社から安定を保障してもらうという関係が崩壊した。
2)小型で安価な生産手段の登場
生産手段(富を生み出すのに必要な道具)が小型で安価になって個人で所有できるようになり、操作も簡単になった。
3)経済の繁栄
繁栄が社会の広い層に行き渡り、しかも長期間続いている結果、生活の糧を稼ぐことだけが仕事の目的ではなくなり、人々は仕事にやりがいを求めるようになった。
4)組織の短命化
組織の寿命が短くなり、人々は勤め先の組織より長く生きるようになった。
面白かったのは、アメリカの大企業もかつては終身雇用に近い雇用体制を取っていたことで、80年代半ばまではIBM,ボーイングなど大企業は「家族的温情主義(パターナリズム)」を土台として「完全雇用」を貫き、分厚い保障の代わりにタテの忠誠心を求め、従業員もそれに応えていたといいます。
しかし、90年台に入るとそのパターナリズムは放棄され次々と数十万人規模の人員整理が行われ、ひとつの会社でしか働かないことこそリスクとなっていったのです。
また、「忠誠心」の方向が変わったともいうでしょう。それまでの上司や組織に対する縦方向の忠誠心に変わってチームや同僚、職業、同業者のコミュニティ、顧客、家族、友人たちなどに対する横方向の忠誠心が強化されたのが印象的です。
フリーエージェントという働き方が円滑に機能する土台になっているのは、賢い利己心、すなわち「あなたがいつか力になってくれると思うから、いまはあなたの力になろう」という発想です。自由気ままで、一見すると裏切りが横行していそうなイメージとは裏腹に、フリーエージェント経済は、実は人々に道徳的な振る舞いを促します。
読書くんが思うに、一見自由な働き方こそ、自制心と責任が伴って、逆に息苦しくなったり、結果潰れてしまっているケースもあるなと思っています。特に個人事業主は自身が体調を崩したら収入源はゼロ。それでも一旦仕事を受けたら自分がやるしかないので、いかに体調が悪くても突っ走るしか無い。よって会社員づとめのときよりも本格的に体調を崩すパターンが多いなあ、というのが実感です。
その時代にあった働き方があるものの、今までと違う=違った責任や制約が発生するということです。なんとなく流れに流されるのではなく、しっかりと理解し賢い選択をしていきたいものですね。働き方について考えることが多い方はぜひ一読を!ではではー
【営業】営業は準備力:トップセールスマンが大切にしている営業の基本 野部剛
こんばんわ、読書くんです。今回は久方ぶりの純粋に営業についての一冊。
【ただ売るだけの仕事ではないセールスの極意】
著者はソフトブレーン・サービス株式会社 代表取締役の野部氏。野部氏は早稲田大学卒業後、野村證券へ入社。 4年間一貫して、リテール営業、トップ営業マンとして活躍。2005年5月ソフトブレーン・サービス株式会社入社、執行役員を経て2010年7月に代表取締役社長に就任した人物。野村證券でトップ営業マンとして活躍し、ソフトブレーン・ブレーンサービス社でもその営業力でトップに上り詰めた野部氏が語る営業力についての一冊。
売れない営業ほど事前準備とヒアリングが弱い。お客様がどんな課題を抱えているのか想像しながら事前準備することで、お客様が想像もしていなかったニーズを引き出すのが営業の強さであると著者は言います。
営業をそれぞれタイプ別(レベル別)に分けると以下のようになると言います。
スペック営業:商品説明だけの営業
バリュー営業:顕在化しているニーズの営業
ソリューション営業:お客様の潜在的なニーズを汲み取り提案できる営業
ソリューション営業とは巷でよく使われる言葉ですが、本当の意味でソリューション営業ができている人はほとんどいないと言っていいでしょう。それほどソリューション=お客様の潜在的なニーズを汲み取り営業することは難しいのです。
またお客様の6大抵抗について触れています。
金額 →「ちょっと高すぎるんじゃないの」
時期 →「そのうちにね」「とくに急いでないから」
効果 → 「本当にそんな効果があるのか」「費用対効果を得られるかがわからない」
優位性 →「他にももっと良い手立てがあるのでは?」
持続性 →「いつまで使い続けられるのか」
関係性 →「すでに長年お付き合いしているところがあるので」
それぞれにキラートークを用意できていれば、最初の壁は越えられるでしょう。ただ壁を越えた上で、期待を越えなければいけません。突破力だけではトップセールスにはなれないのです。
セールスはコミュニケーションのプロです。そしてビジネスにおけるコミュニケーションとは世間の方が考えているほど生温いものではありません。本書を通じて営業の厳しさ、楽しさが少しでも伝わるのではないでしょうか。みなさま是非手にとってみてください!ではではー
【市況】マッキンゼーが予測する未来 リチャード・ドッブス他
こんばんわ、読書くんです。今回はマクロな視点で世の中を理解する一冊。
マッキンゼーが予測する未来―――近未来のビジネスは、4つの力に支配されている
- 作者: リチャード・ドッブス,ジェームズ・マニーカ,ジョナサン・ウーツェル,吉良直人
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2017/01/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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【現代が迎える強大で破壊的な力について理解できているのか】
著者は、というか著者達はマッキンゼーの方々。
まあ誰もが知っている超一流コンサル企業ですね。
まず第一に、我々は研究家や評論家によって、長期予測の当然の前提として考えられてきたことが覆されてしまう時代を迎えていると大きな警報を鳴らしています。
例えば、2013年10月まで、アメリカは貪欲にエネルギーを消費し、一方で国内の化石燃料生産量の低下に苦闘していました。しかし、新たな技術により、当時世界最大の化石燃料生産国であるロシアを超えると予測されています。アメリカの技術革新により、アメリカの原油生産量は、04年から14年の間に12倍に増加。これはロシアをリードし、世界1位になったことを意味しています。
2014年2月、Facebookは設立5年のワッツアップ社を、190億ドルで買収。ワッツアップ社は、2009年に、ヤフー出身の2人に寄って設立された会社でした。買収された時点で、4億5千万人ものユーザーを獲得していた。これはTwitterのユーザー数よりも多い!しかしウォール街では評価されず、急拡大する発展途上国市場で最大の魅力を発揮していました。
2014年9月、ミッションコントロールセンターで、ロケット打ち上げ実験が成功。これはインドの南部にある、インド宇宙研究機構の偉業でした。アメリカが打ち上げた火星周回衛星よりも90%もコストが安いという衝撃の数値を示しています。
上記のように、新しい競合は、ほぼ完璧にこっそりと準備し、突然、爆発的に登場してくる時代になったのです。
さらに、これから社会が迎える4つの強大で破壊的な力について著者は記載しています。
①経済の重心の変化
経済活動とダイナミズムの重心となる場所の移動。移動先は中国のような新興国市場であり、そうした市場の中の年である。その変化の象徴として、フォーチュンのグローバル500社のランキングに含まれる、シェル石油、コカコーラ、IBM、ネスレ、エアバスといった世界の巨大企業の95%は、2000年というごく最近まで、本社が先進国にあったが、2025年までには、中国に本社を置くことになる。そして、売上10億ドルを超える世界の大企業の半分近くは新興国の企業になるだろうと想定されている。
②テクノロジー・インパクト
技術の発展がその範囲、規模、経済的インパクトにおいて、加速し、増大する。
印刷機から蒸気機関、それにインターネットに至る新技術というのは、常に現状維持という状況を覆す巨大な力になった。ただ、今日の技術発展がこれまでと違うのは、我々の生活のあらゆる局面に、どこにでも新技術が存在していること。20年前に携帯電話を保有していたのは、世界人口の3%以下の人たち。インターネットは1%以下。今日世界人口の3分の2が携帯を使い、3分の1の人たちはインターネットでコミュニケーションを行っている。
技術の事業への適用と、技術革新の激烈な速度により、企業のライフサイクルは、短くなってきており、企業経営者としては、これまでよりも素早い意思決定と経営資源の投入を行わざるをえない。ワッツアップのように、わずかな資本で成長することが可能になった。
③地球規模の老化
人口動態の変化。人類の平均年齢が上昇してきている。出生率は低下し、世界人口は劇的に老化してきている。日本とロシアは数年前から人口減少に転じている。いまや中国にまで拡大し、もうすぐラテンアメリカ全体に広がる。人類が地球に生まれてからの歴史上始めて、この惑星の人口成長が止まり、フラットな台地上の推移に転じる状況になる。
④フローの高まり
貿易に加え資本、人々それに情報の移動を通じ、世界を相互に結合する度合いの高まり。
世界貿易システムは、複雑かつ繊細な、不規則に広がるクモの巣状に変容。アジアは世界最大の貿易券となりつつある。
新興国市場同士の間で行われる南から南へ、という貿易の流れが世界貿易に占める比率は、過去10年の間に2倍に増加。2000年には90億ドルに過ぎなかった中国とアフリカの貿易額は、2012年には2100億ドルになった。世界の資本の流れは1980年から2007年の間に、25倍に拡大した。09年に国境を超えて国外に移動した人の数は10億人に達し、この数は80年の5倍。
この4つの破壊的な力のどれか一つだけをとっても、グローバル経済がこれまで経験してきた経済的変化、産業革命のようなものの最大の力と比べたとしても、同等の規模であると。
我々は生活の中でのふとした変化に気づけたとしても、ここまでマクロな視点での変化や予兆に気付けるでしょうか。それは中々に難しいことであると認識しています。だからこそ定期的にこういった組織規模での調査に目を通し、視座を高めなければいけないんだろうなと改めて考える機会をいただきました。みなさまもぜひ一度目を通してみてください!ではではー
【思考法】ゼロ秒思考 赤羽雄二
こんばんわ、読書くんです。今回はキレキレのコンサルの方が送る一冊。
【情報がなければアイデアは浮かんでこない】
著者はおそらく別本の紹介でも出てきたことのある、元マッキンゼーの赤羽氏。
エリート中のエリートであり知識層の赤羽氏が語る思考法についての一冊。
沈思黙考という言葉があるが、ひたすら考えを巡らせ、ああでもないこうでもないと考えるだけで思考が進むことはあまりなく、多くの場合時間の浪費になる、と著者はいます。また昨今よくあるのは、すっきりしないままネットで関連記事を検索し、あまりよいアイデアが見つからず、不安に思いながらあっという間に1,2時間が過ぎていくという負のサイクル。読書くんは一週間に一回はこれやってるかもw
お勧めなのは考えをすべて書き留めることだと。考えのステップ、頭に浮かんだことを書き留めると、堂々巡りがほぼなくなるといいます。加えて書き留める際に言葉を選ぼうとしすぎると思考が止まってしまうので、それよりは浮かんだ言葉をあまり深く考えず、次々に書き留めていくほうがずっといいと。
経営者の中でメモ魔と呼ばれている人たちはこの方法を良く取っている気がしますね。故日本マクドナルド会長の藤田田氏は自著内でも自分がメモ魔であることを明かしていました。
また、考える時間の長さとアウトプットの量・成果はほとんど比例しないと著者はいいます。優れた経営者、優れたリーダーが即断即決できるのは普段からその問題について考え続けているからであり、臨戦状態にいつもいるので何が起きても驚かないと。
本書のタイトルのゼロ秒思考といっても、情報が不足していれば最小限の調査・情報収集が必要。適切な判断をするために必要な情報を自分が持っているかどうか。確かにすごい人ほど情報収集についての貪欲さが半端ない気がする・・・あと知らないことを知らないと言える力ね。
情報が足りない場合、どこからどうやって鍵となる情報を取ったらよいか。著者はゼロ秒思考はメモ書きで身につけるのである、と言っています。
具体的にはA4用紙を横置きにし、1件1ページで1ページに4~6行、各行20~30字、1ページを1分以内、毎日10ページ書く。似たようなタイトルで何度も書く。何度も書き頭が整理された状況になると、そのタイトルに関してはメモも書こうと思わなくなる書く順番は気にしない。思いついたことはとにかくなんでも書く。思いついたその場で書く。寝る前にまとめて10ページではなく、原則、思いついたその瞬間。
パソコンだとダメなの?という疑問には、パソコンだと文字しか書けない、と著者は言っています。つまり図やグラフで表現したいこともありますよね。パソコンだとそういった想像などを排除してしまう可能性があると、これはふむふむ。
ゼロ秒思考というと相当突飛なアイデアが飛んでくるかと思いましたが、それに至るまでのプロセスを非常に丁寧に教えてくれる一冊。仕事の効率・深さに悩んでいる人はぜひ手にとってみてください。ではではー