外資ITのお金とキャリアの話

外資ITで働く人がお金とキャリアについて語るブログ

【ビジネス系全般】チャットボット AIとロボットの進化が変革する未来 金城辰一郎

こんばんわ、読書くんです。今回はちょっと前に騒がれたけど、その後どうなってるの?っていう分野の一冊。

 

チャットボット AIとロボットの進化が変革する未来

チャットボット AIとロボットの進化が変革する未来

 

 

【チャットボットはマーケットを変えるのか】

まずみなさん、人工無脳という言葉をご存知でしょうか?

人工無能とは会話内容をシュミレーションしてプログラマティックに行う技術のことである、と本書では言っています。まあつまりチャットボットは人工無脳の一種ですね。まずみなさんに知ってほしいことは、AIブームは第三次ブームを迎えて入るものの、まだプログラマティックを超えるものにはなっていないということです。

 

しかし本書では、そういった悪い側面に目を当てるのではなく、人工無脳であるチャットボットでさえ、既存の産業に一石を投じる可能性があることを示唆しています。

 

・ブランディングとしてのチャットボット

近年情報があふれにあふれている上に、物的には満たされた世の中で、企業のマーケティング活動は似たり寄ったりが溢れかえっています。止まらないメールとプッシュ通知にユーザーが疲れ始めているのです。

 

そこで使えるのがチャットボット。彼らはいくらプログラマティックといえどもそこは最新技術。人によってはチャットボットに惚れてしまうほど、ぎこちなくても愛される存在となっているボットさえいます。本書の中で印象的だったのが価値あるボットを生み出すためのマトリクス図。エンゲージメントとリピート率がy軸x軸となっている図で、両方低いのが「ニーズを満たすボット」。これは言わずもがな感があるのですが、ニーズを満たすだけならどのボットでもそこまで難しくはない。

 

そしてリピート率が高いのがニュース性のあるボット。これは天気やニュースなどがそうだよねと。確かにとりわけ天気は毎日適切な時間(例えば出社前とかね)来てくれたら大助かりで、しいて言えば休みで外出予定もないのに飛んできたらイラッとするぐらい。そして次にエンゲージメント率のみ高いのがストーリー性のあるボット。本書の例でいうとその時話題の映画のキャラクターを扮したボットは利用時間、つまりエンゲージメント率が高く、長く使われたのだとか。

 

そして本書が模索するのが利用率が高く、エンゲージメント率も高いボット。我々はここの金脈を探し当てたときに、ボットの真価を見るのだと思います。ただ反面、なぜそれが「チャットボット」でなくてはならないのか、ここは疑問が残るところですよね。

 

ぶっちゃけ読書くんもかなりチャットボット研究し始めてるんですが、理由なんかないんですよw。それでもひとつわかっていることは、同族嫌悪という言葉もありますが、反対に同族だから感じる安心感が必ずあるはずです。あらゆるコミュニケーションツールの中で、本物のロボットでもなく、ごく会話的に返事をくれるチャットボットへの安心感が高まるのも、ごく自然なことかなと思いました。

 

さて上記触りだけの紹介ですので、気になった方はぜひ手にとってみてください。海外のイケてる企業の事例もたくさんでてきちゃいますよ!ではでは!!

【マーケティング】世界最先端のマーケティング 顧客とつながる企業のチャネルシフト戦略 奥谷孝司・岩井琢磨

こんばんわ、読書くんです。今回はマーケティングに関する新書の一冊をご紹介。

 

世界最先端のマーケティング 顧客とつながる企業のチャネルシフト戦略

世界最先端のマーケティング 顧客とつながる企業のチャネルシフト戦略

 

 

【AmazonGoを何と捉えるか】

みなさんはもし地元(東京出身の人からすると地方?)の超老舗スーパーがECを出す、となったらどう思いますか?なんかITが流行ってきてるし、とうとう老舗もネットまで手を広げたかあ、レベルじゃないでしょうか。実際オフラインが根幹にある企業がIT化を進める際のほとんどが、なんとなく手を広げたというケースだと思います。

 

ではAmazonが無人コンビニ「AmazonGo」を展開する、となったとき、みなさんはどう思いましたか?なんとなく、Amazonも結局オフラインかよ、と思った人もいるのではないでしょうか。マーケティング専門家である著者は、その考えが如何に浅はかであるかを力説します。AmazonはあくまでIT企業なのです。そしてすべての施策がオンラインに最終的に帰結するように練られています。AmazonGoはオフラインの「データ」を取得することにより、人間の購買に関する全てのデータを取りに行くことで、より大きな覇権を握ろうとしているのだろうと。

 

本書で最も興味深い、というか改めて気付かされたのが、オフラインオンラインマーケティングの4象限マップでした。オンライン発企業、オフライン発企業が購入・選択をオンライン・オフラインでどう戦略を取っているのかを比較しており、オンライン発企業とオフライン発企業の思考の違いを明快に記していました。

 

オムニチャネル戦略を取る企業が昨今増えてきましたが、オンライン発企業はその更に先を行っています。かれらの思考はあくまで「オンライン」のそれ。だから発想も戦略も点ではなく線で描けているのだなと感じます。オンラインで何かをするのではなく、様々な戦略を張り巡らせ、それを最終的にオンラインでの効果にも帰結させているのです。

 

著者の一人は、元無印のマーケティング企画の方で、無印のMujiPassportをヒットさせた経緯が描かれていました。端から見ると非常にマーケティングが上手な印象のある無印でさえ、オンラインの戦略では二度も大きな失敗をしたのだと。ただIT系にいる読書くんからすると、「それは失敗するでしょ」と思える内容ではありましたが、やはりオフライン発企業からするとなかなか気づけないもの。。。加えて無印の失敗は時代に先かげた攻めの企画での失敗だったので、まあそれはそれで意味ある失敗だったかなと。それでも3回目でしっかり巻き返すあたりは無印さんですね。

 

本書は細かな事例も設けながらも、マーケティングの最先端の情報を提供してくれる、かつ俯瞰させてくれる良書です。マーケターではなくともあらゆるビジネスパーソンが一度目を通したほうがいい一冊ではないでしょうか。気が向いたら本屋かAmazonでご購入をw ではではー

 

【ビジネス全般】AI時代の新・ベーシックインカム論 井上智洋

こんばんわ、ご無沙汰しております、読書くんです。みなさまGWはいかがお過ごしでしたか?最近遊びほうけていたのですが、これからギアを上げていきます!今回はホットワードを組み合わせたタイトルの一冊。

 

AI時代の新・ベーシックインカム論 (光文社新書)

AI時代の新・ベーシックインカム論 (光文社新書)

 

 

【BIは誰のための制度なのか】
みなさんBI(ベーシックインカム)という言葉を一度は耳にしたことはあるのではないでしょうか。

 

ベーシックインカム・・・国民の最低限度の生活を保障するため、国民一人一人に現金を給付するという政策構想(出典:wikipedia)

 

ですね。本書ではなぜBIなのか、また本当にBIは機能するのか、また今後AIが進展していく社会においてBIはどういう意味を持ちうるのか、について語っています。

 

よくあるのがBI入れると、働かなくなる人増えるんじゃないの?論。これはすでに先駆けで試験的に導入している事例があり、そういった傾向は見られないとのことでした。まあ、ここはやってみないとわからないので、素晴らしい実験ですね。

 

ではBIがもたらすであろう功績はなにか。それが「職業の自由」が本当にもたらされるであろう、ということ。ここの説明が新しい視点でした。その代表例が「芸術家」。現代では売れてない芸術家が芸術のみに没頭し続ける環境は整っていない。売れなくてもずっと芸術だけを追い続けられるか、というとそうではなく、アルバイトをしながら、という人がほとんどではないでしょうか。

 

しかしもしベーシックインカムが導入されれば、地方に移り住むことでカツカツだとしても本当に芸術だけを追求して生きつづけることが可能になると。まあこれだけで一般のひとが「いいね!」とはならないと思いますが(笑)、ベーシックインカムと聞いてとてもじゃないですが読書くんはこういった発想にはなりませんでした。

 

確かにこれだけ物質的に豊かになってきた現代で、好きなことを追求しつづけられない人がいるというのは、違和感だなあと。また更に新しい視点で言うと、そもそも「労働意欲」がないことは罪なのかという議題もありました。これ、簡単にだめでしょ、とはいえないんですよね。本書では例えば「勉強をする気がおきない」人って絶対いたじゃないと。著者はそれこそ「働く気」は全然起きなかったけど「勉強する気」は昔からあって、これがたまたま仕事になっただけだと言っていました。なるほどなるほどと。

 

人それぞれ向き不向きがあるのは当たり前で、どうしても気持ちが乗らない人もいる。こんな当たり前のことを、封じ込んで、なんとなくみんな同じ方向を向いて働けよ、っていうのが資本主義社会なのではないかと改めて感じたりしたものです。

 

本日たまたま新R25で前澤社長(ZOZOの代表ね)が出ていました。前澤氏はベーシックインカム推進派。本人も好きなことをして社会に価値発揮できれば素晴らしい派で、それが誰かに勝つとかお金を稼ぐためになるのは嫌なんだと。だからお金を頑張って稼がなくてよくなった社会で人はどうなるのかを見てみたいのだと。

 

最近ブログをさぼってましたが、やはり本を読んでアウトプットのために思考するのはいいですね。改めてみなさまに本のすばらしさをお伝えするために引き続き努力する所存です笑 ではではー

【シンギュラリティ】AIの衝撃 人工知能は人類の敵か 小林雅一

こんばんわ、読書くんです。今回は読書くん大好きAI領域についての一冊。

 

AIの衝撃 人工知能は人類の敵か (講談社現代新書)

AIの衝撃 人工知能は人類の敵か (講談社現代新書)

 

 

【AIは世界を、人を変えるのか】
著者は作家・ジャーナリスト、KDDI総合研究所・リサーチフェロー、情報セキュリティ大学院大学客員准教授と多くの肩書を持つ小林雅一氏。

AIという題名ではありますが、AIは割と一般大衆向けの文言ですね。実際技術者界隈では機械学習という言葉が使われていることが多い。そのため著者はまず「機械学習とは何か」という話題に触れています。

 

機械学習とは、
「コンピュータが(実社会やWeb上に存在する)大量のデータを解析し、そこからビジネスに役立つ何らかのパターンを抽出する」
という技術であると。この技術はまた、
「ロボットや自動車、あるいはすまほなど様々な機械が大量のデータをベースに自ら学習して賢くなる」
ためにも使われます。前者が実用的に使われている部分で、後者はよくみなさんがイメージされる領域ではないでしょうか。ただ後者は実用されている(ビジネスや生活で使われている)ケースはまだまだ少ないのが現状です。

 

その機械学習の中でも近年ブレイクスルーをもたらしたのが「ディープラーニング」です。ディープラーニングとは、人間の頭脳を構成する神経回路網を人工的に再現したニューラルネットの一種ですね。大脳視覚野の認識メカニズムに基づく、一連のアルゴリズムが実装されています。それにより、ここ数年の間に、画像認識や音声認識などのパターン認識技術を飛躍的に進歩させたのです!(ここは大興奮するとこ!!!笑)。

 

そして、画像・音声認識の次は自然言語処理という分野が来ています。自然言語処理は、私達人間が普通に話す言葉をコンピュータやロボットのような機械が理解するための技術です。特にGoogle、Facebookが関心を寄せている分野ですね。

日本でも数社有名所がありますが、彼らは自然言語処理が難しい日本語での自然言語処理技術を強みとしており、日本市場向けに打って出ているケースが多いかな、というのが印象です。

 

・人類を絶滅させる恐れ
ここ最近AI領域で世界的に有名な会社としてディープマインド社があげられます。2~30歳代の青年3名によって2011年にロンドンに設立された会社ですね。

同社は、Googleに買収される条件として、AI倫理委員会なるものの設置を要求。ディープマインド社共同創業者のシェーン・レッグ氏は、
「最終的に人類はテクノロジーによって絶滅するだろう。今世紀におけるその最大の危険要因はAIだ」
と語っています。そのため、今から正しい開発、活用の仕方を検討しておくべきだという意味で、AI倫理委員会の設立を要求しました。こういう話を聞くと、本当に最近の若い世代は実は視座が高く優秀なんだよなあと改めて思わされています。老害なんかよりも遥かに賢く未来を見据えているなあと。

 

ディープマインド共同創業者の1人である、デミス・ハッサビス氏は、
ケンブリッジ大学でコンピュータ科学の学位を取得した後、1998年にゲーム会社を設立。
その後、2005年にロンドン大学の博士課程に再入学、神経科学を学び始めました。
その研究テーマが、脳の一部領域である「海馬」。
海馬は記憶などの過去の出来事を保存する領域と見られてきたが、
ハッサビス氏は、海馬を損傷した患者が未来も想像できなくなることを発見。
つまり海馬は、過去の事柄から未来を思い描くための橋渡しの役割を果たしていることを証明したのです。

 

AIは、「過去の経験から何かを学んで、それを未来の行動に反映させるニューラルネット」です。人間の脳をお手本にしたAIであるからこそ、人間のように叱咤激励されれば上達するでしょう。

一方、人間が教育の仕方を誤れば、AIは不良化し、最後には、手に負えない存在になる危険性もあると考えているのです。それがAI倫理委員会の設立の理由ですね。

 

本書を通じて改めてAIへの認識を深めるとともに、テクノロジーが人間の存在そのものを否定する時代もくるのかなあ的な思考の時間もいただけました。ぜひみなさまにも一読してほしい一冊。一緒にテクノロジーの未来に思いを馳せましょうwではではー

【ビジネス全般】グアルディオラのサッカー哲学 フアン・カルロス・クベイロ

こんばんわ、読書くんです。今回はスポーツから学ぶ一冊。

 

グアルディオラのサッカー哲学

グアルディオラのサッカー哲学

  • 作者: フアン・カルロス・クベイロ,レオノール・ガジャルド,今井健策
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2011/01/20
  • メディア: 単行本
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【ゴールを共有し、当たり前のことを当たり前にやること】
グアルディオラ氏はマンチェスター・シティFCの監督。経歴としてはスペイン、カタルーニャ生まれ。12歳でバルセロナのカンテラに入団。若手選手育成寮マシアに入り、頭角を現す。守備的MFとして活躍、選手時代の大半をバルセロナで過ごす。ヨハン・クライフのドリームチームの中軸のひとり。2006年引退、2007年バルセロナBの監督に。2008年からトップチーム監督という経歴の持ち主。

 

グアルディオラの特徴的なところは、ヨハン・クライフのように生まれながらのカリスマ性があるリーダーではない、ということ。監督の仕事として重要なのは、選手に監督の意図を理解させること、選手のモチベーションを高めてフィールドに送り出すことです。

前監督はフランク・ライカールト。実績があったが、最後の2年間はタイトルがとれなかった所でのバトンタッチしました。監督就任前にはフロントに練習フローの変更やスタイルに関しての要求を行っていたと。

 

就任会見では、自身が取り組む事を明確に伝えており、ロナウジーニョ、デコ、エトーが構想外でチームを変えるという事も明言していました。その後1年半、前人未到の6冠を達成!

グアルディオラが体現したことは、目標やそこにたどり着くまでの道筋を明確化し、最後に結果を出すことが必要ということ。朝も夜も関係なく、常にチームと対戦相手の分析をして、納得いくまで考え通すのが彼のこだわりでした。対戦相手の直近の録画映像を少なくとも4試合分は見る、つまりリーガだけで1シーズン約40試合。。。単純に160試合分見る必要があります。

 

これは結局全ての勝負事に共通することだなあと思ったのは、「敵を知る」ということの重要性ですね。ビジネスでも競合分析は必ずやるべきことです。敵を知り、己を知れば100戦して危うからずってやつです。

バルサのミッションは、サッカーでファンにスペクタルなショーを提供すること、そこから派生する様々な要素を作り出し商品化することでした。

まず勝つことが、プロの大原則。加えてファンを喜ばせること、プロセスを大事にすることをチーム全員が把握しているという強さ。いいチームの秘訣は、規律があり、全員が何をしなければならないかをしっかり理解していることだといいます。

 

本書から学べることは、監督、つまり企業で言う社長はあくまで役割であり、彼らのミッションはその組織のパフォーマンスを最大化させること。そこにものすごい奇抜なことはなく、全員が自分の力を出し切れるための仕組みを作ることなんだろうなあと。

組織に関わる全ての人は一読してみてください。ではではー

【組織】賢い組織は「みんな」で決める キャス・サンスティーン

こんばんわ、読書くんです。今回は組織論についての一冊。

 

賢い組織は「みんな」で決める:リーダーのための行動科学入門

賢い組織は「みんな」で決める:リーダーのための行動科学入門

  • 作者: キャス・サンスティーン,リード・ヘイスティ,田総恵子
  • 出版社/メーカー: エヌティティ出版
  • 発売日: 2016/09/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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【負の車輪は連鎖しスピードを上げていく】
著者はアメリカの法学者、ハーバード大学ロースクール教授をつとめるキャス・サンスティーン氏。

 

まず著者は集団で決めるということに対し、大前提として「集団で議論しても正しい判断ができるとは限らない」「集団で良い決定を出すのは難しい」と記しています。

集団で議論しても誤ってしまう理由としては
・情報シグナル
他人が公表した情報を尊重するあまり自分が持っている情報を発表しなくなる傾向
・評判プレッシャー
自分に不利になることを避けるために黙ってしまう傾向が大きいと。
上記から、メンバーの間違いを正すどころか、それを増幅してしまう集団もあるほどだといいます。そして個人の偏った行動が集団内で増殖し、多くの場合状況は悪化すると。

上記はみなさんも大いに体験したことがあるのではないでしょうか。
集団になればなるほど注目を浴びることへの恐怖、間違えたときの恥ずかしさなどから、本当は自信があるし周りのためになることを発言できなくなってしまう経験、読書くんは果てしなく経験してきました笑

 

また熟議する集団が陥りやすい4つの失敗があると。
①増幅される間違い
集団はメンバーの間違いを正すことができないどころか、その間違いを増幅する
②カスケード効果
集団は、最初に発言、行動を起こした人に従う「カスケード効果」の餌食となる
③集団は極に走る
集団は、メンバーが既に持っていた方向に沿ってさらに極に走る
非常に楽観的だった集団は、集団内の議論の結果、それに輪をかけて楽観的になる
④情報共有のワナ
集団は、既にみんなが知っている、共有の情報に注目して、共有されていない情報をないがしろにする。その結果、1人あるいは少数者が持っている、耳障りだが重要な情報を活用できない。こうした問題ゆえに、集団はメンバー個人の間違いを正し、個人の持つ情報を集約するという最低限の目的すら達成できない。

 

①②に苛ついた人、気づかずに後馬に乗っかった経験はみなさん多いのでは。車輪と同じで一度回りだすと止めるのが難しいどころか、どんどんスピードマシちゃいますからね。読書くんが意識しているのは、序盤に「目的ってなんだっけ?」「本質ってなんだっけ?」っていうそもそも論を投げ込むこと。これシカトできないくらいしつこく鋭く切り込むことが最終的に組織のためになると思ってます。

 

本書の面白いところはみんなで決める方法を手っ取り早く教えてくれるのかな!?と思ったら、まずは集団で決める難しさを語り尽くしてくれるところですね笑 肝心の「じゃあどうやってみんなで決めるのさ?」はぜひ本書を手にとって読んでみてくださいw

ではではー

【思想】幸せになる勇気 古賀 史健・岸見 一郎

こんばんわ、読書くんです。今回は嫌われる勇気に続いて出版されたこの一冊。

 

幸せになる勇気――自己啓発の源流「アドラー」の教えII

幸せになる勇気――自己啓発の源流「アドラー」の教えII

 

 

【あなたが幸せと感じる時はどんなときですか?】
本書はアドラー心理学を用いて人はどう幸せになれるかを説いています。

 

まず特徴的なのは、アドラー心理学では、承認欲求を否定することです。承認欲求にとらわれた人間は、他者から認めてもらう事を願うあまり、いつの間にか他者の要望に沿った人生を生きる事になると。

 

そして次が、課題の分離。
人生のあらゆる物事について「これは誰の課題なのか?」という観点から「自分の課題」と「他者の課題」を切り分けて考える必要があると。他者の期待を満たすために生きているのではなく、他者もまた、あなたの期待を満たすために生きているのではないと。

 

もうこの2つでかなり本質ついてるんですけどね、本書w「承認」「分離」はかなり似ています。それは物事を「自分」に置くこと。これは悪い意味ではなくて、他人有りきの自分ではなく、自分のための自分の人生を歩むことが大事なんだよなあと改めて思わされました・・・(逆にバカボンドの武蔵レベルになると、ひたすら自分の路を極めることだけに没頭して沢庵師匠に怒られるんですけどね笑)

他者の視線に怯えず、他者からの評価を気にせず、他者からの承認も求めない。これができたら人生がどれだけ楽になるか。。。

 

また、幸福とは貢献感である、とアドラーはいいます。
「私は誰かの役に立っている」と思えた時にだけ、自らの価値を実感する事ができる。自らの価値を実感し、「ここにいてもいいんだ」という所属感を得る事ができる。「私は誰かの役に立っている」という主観的な感覚があれば、貢献感があればそれでいいんだと。

上記から思うことは、とりわけ日本においては「定年」という概念はなくすべきだと思うんです。なぜなら「貢献」を最も味わえるのが仕事だから。仕事をしたくないという人もいますが、実際に仕事をしていないと「なぜ自分は生きているのか」という虚無感に襲われることが多々来るでしょう。とはいえ、定期的に人が貢献を味わえる仕組みを国として新しく作るのは本当に難しい。だから働き方は色々だと思いますが、それでもずっと働いていられる制度を国として作ったほうが、結果みんな幸せなんじゃないかなと。

 

最後は読書くんの思考・仮説で締めくくって恐縮ですが(笑)、この他にも生きていく上で本質をつく内容が満載です。ぜひ手にとってみてくださいね。ではではー