外資ITのお金とキャリアの話

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【組織】~風土づくりは会社づくり~サイバーエージェント流 成長するしかけ 曽山 哲人

こんばんわ、読書くんです。今回はベンチャー界隈人事なら知らない人はいない(のでは?w)という曽山氏の一冊。

 

サイバーエージェント流成長するしかけ

サイバーエージェント流成長するしかけ

 

 

【社員が生き生きと働けるために】
いまこそ世間的にはピカピカしてみえるサイバーエージェントですが、創業から数年はただの広告代理店、相当泥臭い企業でしたよね。そのサイバーさんにも離職率が深刻な時期がありました。社員の定着を妨げたのが、「ビジョンや価値観の浸透が弱かったこと」 「社員同士のつながりが希薄だったこと」「個人への認知や、自己肯定感が不足していたこと」という3つだったそうです。

 

特に1つ目2つ目は読書くんも実体験として腹落ちすることがちらほら。仕事が辛い時に支えになるのが「社会に価値を提供しているんだ」という大義名分感、これは本当に大きい。大抵のことは、やっていて意味があるんだ、と思い直せる。会社を辞めたくなるときによぎるのは「仲間」。次の職場で人間関係うまくいくと限らんしなあ、現職は本当に良い人ばかりだよなあ、でぐっと踏みとどまれる。

 

この問題のにぶちあたったときに参考にしたのが『ビジョナリー・カンパニー』であったといいます。ビジョナリー・カンパニーは利益を超えて、基本的な価値観を守ることを最大の目的にしています。ビジョナリー・カンパニーは、その基本的理念にぴったり合う者にのみ、素晴らしい職場であって、合わない者は追い払われる。その中間はない。 スケールデメリットは徹底排除 本音の対話なくして最高のチームなし ネガティブに考え、ポジティブに生む 同社のビジョンは「21世紀を代表する会社になること」 このビジョンを掲げるまでにさまざまな紆余曲折があったらしいのですが、今はこれ一本にしぼって社内の意識を統一していると。


共感したというか、しっかりねってるなあと思ったのは、 「ビジョンに数字を入れない」というポイント。「売上○円、従業員数○人、としてしまうとそこで成長が止まってしまう」からそうしていないと。ただこれはあくまで私見なのですが、このビジョンでビジョナリーカンパニー語るの?というのは疑問です。ビジョナリーカンパニーに出てきた会社のビジョンは、もっと社会に向けて具体的な理想を語っていたように思います。サイバーさんのはなんか社会に向いているようで、内向きというか、オナ◯ー的な。。。まあよしと来ましょうw

 

ただ、サイバーさんが本当にすごいなと思うのは、風土を保つための仕組み作りですね。まあそれはそれは多くの仕組みというか制度があり、ちゃんと機能しているというのが圧巻です。

 

例えば、社内報「サイ・バー」 。週3~4のコンテンツが更新され、なかでも「私の履歴書」が人気だといいます。マネージャー以上がコラムを書き、役員全員がブログを書いています(中には一般社員も)。「名前と顔がわかること」「人となりがわかること」は相手お知らないという不安をなくす効果があり、その情報の流通の仕組みを継続的に続けているのは、ぽっと出の企画ではなく、そこに信念があるからだろうなあと。

 

プロフェッショナルなら「モチベーション」という言葉を使うべきではないですが、サイバーさんは社員が意識せずとも自然とモチベーションが高く保てるような仕組みを作っている。だから常に意識高く仕事に取り組めているんでしょうね。インターネット黎明期に広告代理店としてスタートし泥水をすすりながら一旦は凋落した企業とは思えない持ち直し。いや、凋落したからこそなんでしょうね。人も企業も挫折経験が大事w

 

すべてのビジネスパーソン、企業が参考にできる情報がもりだくさんなので、一度手に取ってみて下さい。企業(風土)作りっておもしろいっすねー。ではではー