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【ビジネス全般】Hot Pepper ミラクル・ストーリー: リクルート式「楽しい事業」のつくり方 平尾勇司

こんばんわ、読書くんです。今回は営業を学ぶなら、の大本命リクルートさんについての一冊。

 

Hot Pepperミラクル・ストーリー―リクルート式「楽しい事業」のつくり方

Hot Pepperミラクル・ストーリー―リクルート式「楽しい事業」のつくり方

 

 

【見えなかったのではない、見なかったのだ】
著者は元ホットペッパー事業部長の平尾氏。大体リクルートの人って「俺が事業作ったんだぜ」的な話を何人もしてきますが、大体ただのメンバーレベルが誇張してるんですよねwでも平尾氏は間違いなく事業部長だったので安心安心www

 

ホットペッパーが企画検討されたのは2000年。それから4年、売上300億、営業利益100億というオバケ事業に成長します。創刊から7年で500億の規模になり、瞬く間にリクルートの基幹事業に成長したホットペッパー。人材系とはまったく違うコンテンツ・ドメインを切り開きコンテンツ・ポータルへの切符を手に入れた軌跡について本書は触れています。


ホットペッパーは全国の主要な県庁所在地にあたる都市のほとんどに展開しています。その数は50版、中国やフランスなどの国際的な地域版展開まで行っているほど。東京や大都市だけでなく人口20万人の地方中小都市にまでにワンストップで浸透した雑誌メディアは稀でした。なぜこの様な大躍進ができたのか。

 

それは、「見えなかったのではない、見なかったのだ」、に大きなポイントがありました。領域でビジネス範囲を限定するケースは多いですが、まず生活圏・行動圏というエリアで範囲を限定し、領域を拡大していくところが新しい発想でした。東京とその他の地方と定義した瞬間にマーケットは見えなくなってしまう。マーケットがなかったのではなく、見なくなる。

 

ひとつひとつの街にビジネスチャンスがあり、領域がかけ算で存在しているとホットペッパーは考えたことが発送の転換でした。それらを事業ドメインとして、狭域ビジネスと定義することで、逆にビジネスが大きく開けたのです。

もうひとつの新しさは街の飲食店や美容室が集客のために、クーポン付き広告を街の情報誌に毎月出す販促広告費というマーケットをつくったことでした。巨大な広告マーケットが出現し、あるいは生まれ、それと同時にクーポンを使って得をするというクーポンスタイルという文化まで創りだしたと。

 

読書君が改めて感じたのは、ビジネスチャンスは意外と目の前に転がっているということ。業界を変革するようなビジネスだとしても、実は誰しもが出来るようなものだったりします。それこそUBERは車の相乗りサービスという、誰しもがやったらいいのに、と思っていたことをITのちからでより便利に行えるようにしたもの。Airbnbはお家を宿泊施設として貸し出す、という、これもまたや誰もがやればいいのにと思っていたことです。

 

ただみんな見えているのに見てないんですよね。それは見る気がないから。本気で何かを変えたいとか、やってみたいとか思わないから見えなくなる。もしくは逆に精通している場合。既存概念から中々脱却できない。そういう意味では意思のある後発組が市場を変革していくのでしょうね。上記は触りの触り程度の内容で、もっと事業づくりにおいて参考になる情報がパンパンに詰まっています。ぜひ本書を手にとって見て下さい。そしてその読者の中から熱い事業家が生まれることを著者は願っていると思います。ではではー