外資ITのお金とキャリアの話

外資ITで働く人がお金とキャリアについて語るブログ

【自伝】Hit Refresh(ヒット リフレッシュ) マイクロソフト再興とテクノロジーの未来 サティア・ナデラ

はじめまして、読書くんです!いままでEverNoteにコツコツと書き溜めてきた読書メモを、みなさんに共有し少しでもお役に立ちたくブログを開設しました。もしご興味おもちいただけたら定期的に読んでいただけると幸いです。

 

【読書くん経歴】

大手企業を2社経験したのちに、IT系のベンチャー企業で働いている30代半ばのビジネスマン。年間数百冊は本を読んでおり、学びや所感をEverNoteに書き溜めている。自伝系から哲学系まで幅広く読んでおり、その中でも21世紀はこれ読んどけ!ってやつを紹介していく。また駄作をみなさまが間違って買わないように、良くなかったものも時々紹介します。

 

【Hit Refresh(ヒット リフレッシュ) マイクロソフト再興とテクノロジーの未来 サティア・ナデラ】

はい!ということで記念すべき一冊目は「Hit Refresh(ヒット リフレッシュ) マイクロソフト再興とテクノロジーの未来 サティア・ナデラ」。

 

Hit Refresh(ヒット リフレッシュ) マイクロソフト再興とテクノロジーの未来

Hit Refresh(ヒット リフレッシュ) マイクロソフト再興とテクノロジーの未来

 

今更マイクロソフト?と思ったそこのあなたはちょっと甘いですね笑。2014年にサティア・ナデラ氏が社長に就任してから、業績は急回復。出遅れていたクラウド事業でも頭角を現しはじめています。

 

この本はその軌跡をたどる本です。「いやいや、こんな大企業の社長の本読んでもね?」と思っているあなた、もっと甘いです笑。業績も風土も悪化の一途をたどっていたマイクロソフト(以降MS)をどうやって勝てる組織にしたのか。この本はどちらかというとただ自慢が繰り返される自伝ではなく、組織改革について、大なり小なりすべての組織が実践できるエッセンスが詰まっています。

 

ただ読書くんはすべての本と著者を尊敬しています。ですのでネタバレは極力したくないため、心に刺さったエピソードや言葉を一部抜粋して紹介していくスタイルです。

【組織の風土がすべての基盤である】

サティア・ナデラ氏が社長に就任した2014年。それは前任のスティーブ・バルマー氏が、ノキアを買収するという愚策を行った直後でした。パソコンの巨匠MSは、そのころスマホクラウドなど、すべてのテクノロジー分野で出遅れており、社員の士気も下がる一方。そこに追い打ちのようにノキア買収、からの解体。雰囲気は最悪。

 

そこでナデラ氏が行ったのは、まずその組織風土を今一度みんなで話し合い、共通の認識を持ち、固めること。そのためにも一番最初にSLT(シニアリーダーシップチーム)会議でリーダー以上の意識を今一度高めにかかりました。大事にすることは、お互いを知ること。弱い組織はお互いに対しての無関心が蔓延しています。その結果、他事業部への無関心がはびこり、だれも事業全体への責任を感じない。だから自分の部署がよければ、会社が負けていることも実感しない。経営陣がこれでは会社が伸びるはずもない。お互いを知り、会社のあるべき姿を明確に描き、同じ方向を向かって全力を尽くせるチーム、その基盤づくりをナデラ氏は丁寧に行っていきます。これはあらゆる組織で起こりうることです。数十名程度のベンチャーや、1000名前後の中堅企業、1万を超える大企業も。詳しい記載は控えますが、組織が駄目な方向に向かっている、と感じている方はぜひ本書を手にとって欲しいものです。

 

【リーダーのあり方】

またナデラ氏はそうした経験を振り返って、リーダーとはどうあるべきか、を力強く語っています。

 

「チームを率いる際に、意見の一致を求めるべきか専横的に命令すべきかという選択は間違っている。どんな組織を作るにしても、まずは、トップダウンでもボトムアップでも進歩や発展を推進していける明確なビジョンや文化を作り共有することが重要だ。」

 

これなんですよね。読書くんも今まで相当マネジメントで悩まされてきました。強いチームというのはメンバーが向いている方向が同じで、目指しているものも明確なんですよね。だから腹をわって話し合えるし、ぶつかっても建設的にぶつかることができる。

 

更に視座の高い金言も。これはビジネスチャンスの話なので、どちらかというと経営層レベルへの金言ですね。

 

「リーダーは、外部のビジネスチャンスと内部の能力や文化、およびそれら相互の関係に目を向け、そのチャンスがありきたりなものになる前に対応しなければならない。」

 

MSは一度クラウドで出遅れている。もうそれが当たり前になりつつあるときに参入しても遅いんだと。ただ出遅れたとしても、徹底機にクラウドに突っ込み始めたMSの業績は爆上がりしています。ナデラ氏の強さですね。

 

ナデラ氏は決して独裁的ではなく、またカリスマ的でもなく、それでも組織としての強さを高めMSを再度勝てる企業に復活させました。もちろん手が届く存在ではないものの、相当の努力を行い、人として正しく優しくあり続ければあるいは、と思わせてくれる経営者です。ぜひ一度読んでみてください。

 

電子書籍派はhontoでもぜひ

それでは