外資ITのお金とキャリアの話

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【経営】戦略プロフェッショナル 三枝匡

こんばんわ、読書くんです。今日は読書くん史上、最も大好きな半分フィクション系の経営自伝。超絶怒涛の経営コンサルとして有名な三枝氏の著書です。

 


【会社を変えるにはまず風土を変える】
本書は三枝氏が経験したことを、広川という主人公に投影している半分フィクションの経営自伝小説。もちろんほぼ三枝氏の原体験によるものなので、臨場感がはんぱない。外部のコンサルタントとして活躍していた広川は、経営陣としてとある古くから仕事上の付き合いがあった医療機器メーカーにヘッドハントされます。

 

会社はなんとなく生き残っているが、ジリ貧なのは目に見えてわかる。それでも社員たちはその地位に甘んじていて大した努力をしない。経営コンサル上がりの犯しがちな過ち、とにかく机上の空論をぶつける、なんて愚かなことはいたしません(さすが三枝氏!!!!よっ!!!!笑)根気強く現場と話し合い、時にはぶつかり、企業を正しい方向に導いてく。これぞリーダー然たる人物の代表のような物語です。読んでみれば必ず心震えるので是非。

 

【その営業戦略は正しいのか】
ハイテクベンチャーのつまづきは、技術開発で負けるより、生産技術や営業体制で負けることが多いと。競争のポイントが移る事に気付かないんですよね。爆発的に成長している市場の場合は、自社がたとえ年60%という成長率でも負けてしまう。

企業戦略のセオリーは、どの業界でも同じ。また、優れた戦略は優れたリーダーシップと結びついてこそ、初めて大きな効果を生む。
⇒ここはストーリーとしての競争戦略で紹介した、シナジー的な部分も当てはまりますね。

本書では広川が営業戦略を大幅に改革し、競合他社をなぎ倒していきます。
面白かったのは結構前の時代の話のはずなのに、ネスカフェ的な手法をすでに取り入れていること。ネスカフェアンバサダーってご存知ですか?このブログを読んでいる人の何人かはきっとみたことあるはず。会社にネスカフェの機会があって、ポーションを差し込んでお安く美味しいコーヒーが飲めるやつ、あれです!

機械自体はタダなんですが、ポーションは有料で、中長期的に見て儲けを出していく手法。今までコーヒーマシーンや自動販売機でシェアをとっていた他社にくらべて、より安くより美味しいコーヒーが飲めるようになったのがポイント。でもこの機会をまるごと貸し出して、おまかせしちゃう、ってのが大きな改革。

 

広川も他メンバーが「これで成り立つのか?」という方法を大胆に導入しました。もちろんそのまえに顧客開拓のターゲット戦略などは細かく分析し、ターゲットを絞り込んだ上で、この戦略を導入するなど、営業責任者などが見たら本当にお手本にしたい情報が詰まっています。様々なフレームワークがビジネスの現場にピタッと当てはまり、その試行錯誤が繰り返されていくストーリー展開は圧巻。

 

まだ読んだことがない、という営業マンは読まないと損。損です!

ではでは