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【経済】マイナス金利 徳勝礼子

こんにちわ、読書くんです。今日はいつもと少し違ったテーマの本についてご紹介。

 

マイナス金利

マイナス金利

 

 

【(他者よりも)損をしたくないという人間の心理】

本書は「マイナス金利」に焦点を当てることで、金融マーケットが発している日本経済への警告を読み解いた一冊。とはいえ読書くんはそんなに頭が良くないので、理解は浅いまま笑。それでも市場を知るためにはすごい良い一冊でした。

 

以下要約

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・強制的にマイナス金利を導入した欧州の中央銀行
→円のマイナス金利は実はここ数年、発生の度合いを強めている。
→大半の場合、その発生を知るのは取引の当事者や一部の金融関係者に限られ、一般の投資家には見ることができない。
→その狙いはデフレ対策としての緩和強化

・本来、中央銀行に対する準備預金は民間銀行が預金の引き出しなどに備えるために文字通り準備するもの
→しかし、金利が0%に近づき、金融緩和政策として伝統的な金利の引き下げが難しくなり、量的緩和という異なる軸に転換した時から、付利という政策金利が市場にとってこれまで以上に重要なものになってきた
→マネーの「量」を増やすという発想が出てきた。
→「量的緩和」(QE)という金融緩和手法

・なぜマイナス金利が発生していたのか
→ドル調達のために活用されている手法は、大量にある円を貸してドルを借りてくる「貸し合い」
→円金利を値引きしていた

→低成長を受け入れなければ、マイナス成長が加速する
→潜在成長率が低下している状況では緩和によって供給された流動性実体経済よりもリスク資産に流れやすく、バブルが発生
→バブルはどこかではじけるが、その時の景気後退や国民生活の痛みは厳しく、結果的にはまだ可能な成長すら抑制してしまう

 

・成長したいと思うことは人間の本能
→しかし、その目標が実質2%と、ほぼ0%と推定されている潜在成長率対比で高すぎるため、手段としての財政支出に途方もない負荷がかかっている

アベノミクスに対する懸念に共通するロジック
→高すぎて達成不可能な成長目標を掲げてしまい、当初は劇的な財政政策によって、
→株高を始めプラスの結果をもたらしている印象を醸し出して批判を退けるが、当初の成長目標はなかなか達成できないまま泥沼化し、何らかの致命的なショックを招いてしまう可能性を着々と高めている

 

・成長という大義名分を認めないことは資本主義に対するアンチテーゼ
→しかし、利潤を否定することはナンセンス
→「成長することや稼ぐことは楽しい」という人間の本能を肯定し、お金で測れるものと測れないものの価値観を共存させる、一見矛盾した世界を作っていかなければならない

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読書くんが少し気になった表現は「成長」というキーワード。ここはどちらかというと「損をしたくない」というほうが人間の本質に近いんじゃないかなと思いました。なぜ成長しなければならないかというと、他国が成長をし続けようとするから、というのをお互いに牽制しあってるイメージ。そしてそれをやめると結局成長を止めた国が損をするから仕方なく成長ゲームに乗り続けるしかないんじゃないかなあ、って思ったりな真面目な読書くんです笑 まあどちらにしろぜひ一読を。

 

ではではー