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【マネジメント】人を育て 組織を鍛え 成功を呼び込む 勝利への哲学  青山学院大学陸上競技部監督 原晋

こんばんわ、読書くんです。今回は毎年年初最も日本を賑やかにする箱根駅伝にて、絶対王者に輝いている青学監督の一冊。

 

人を育て 組織を鍛え 成功を呼び込む 勝利への哲学157 ~原晋、魂の語録

人を育て 組織を鍛え 成功を呼び込む 勝利への哲学157 ~原晋、魂の語録

 

 

【基礎、基礎、基礎。そして基礎。】
著者の原氏は2008年に青山学院大学を33年ぶりの箱根駅伝出場に導き、現在驚異の4連覇を成し遂げています。そんな原氏が勝てる組織の作り方について書いているのが本書。

 

勝つための人材育成術、組織構築術というものが存在し、スポーツだけでなく「組織人」として生きるすべての立場に置き換えられるものだといいます。組織構成術で、リーダーとして大切なことと言われているのが以下。

 

・気づきを与える
所属している組織の中の人間としてではなく、広い世の中に生きる一人人間として、人の成長に責任を持つ必要性がある。人として成長が促されると、自主性が出てくる。そうすればリーダーが手出し口出しすべき頻度は、必然的に減ってくる。現場主体のチームになればなるほど、それは強いチームになってきた証拠であると。

 

・コミュニケーションのノウハウ
リーダーが上から目線でやっちゃう時代はもう終わり。情報を持っているのは現場である。まずはメンバーの心を開かせるために、興味の矛先がどこなのかを正しく理解し活用するのがリーダーの務め。業務外であったとしても専門外のわからないことは、メンバーにどんどん質問をすると。そうすることでメンバーは自然と心を開く。

 

最初はある意味、独裁でも良い。独裁をステージ1とするのであれば、その段階では能力よりも人柄、従順な方が良く、哲学に賛同してくれる人が良い。成熟度の低いチームフェーズで自主性を重んじると、間違いなくその組織は失敗をする。より成熟度の高いチームフェーズに入ると、多様な人材が必要となる。その際にリーダーが意識すべきことは、色んな部下の情報を引き出して、整理して、実行するタイミングを作り、そして責任を持つこと。何も変えようとしないリーダー、上司は論外である。

 

・正しく目標を立てる
メンバーには自分で自分の目標を考えさせる。そしてリーダーはできない目標を立てては絶対にいけない。最終ゴールと現実とに大きなギャップがあるのであれば、「一緒にこのチームを立て直してくれ」「一緒にルール作りをしてくれ」でも良い。実現可能性のない目標を発信し続けると、現場の士気は下がる一方である。

 

・自由と自主性の違いを理解させる
壮大な夢は非常に重要だが、目先の利益を追求しないと会社は潰れる。理想像ばかり掲げても収益を上げないことは悪であるとまずは全員に認識を持たせる必要がある。

 

総論、マネジメント系の本を読んだことのない人には、基本的な一冊として非常に良い本だなと思いました。手法は特段秀でたものがあるわけではないのですが、これをスポーツの世界、しかも学生スポーツの世界に持ち込んで徹底して実施したのが良かったんだろうなあと。特に会社でマネジメントすることとは別で、駅伝という特殊でニッチな世界で実施させたこと。本人も駅伝経験者であるべきだし、ビジネスの世界で当たり前に提唱されているマネジメントテクニックを応用させる。色々なハードルがあっての、常勝青学なんだろうなと。このほかたくさんの有益な情報がつまっているので是非一度手にとって見てください。チーム作りは難しくも楽しいですよね。ではではー