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【自伝系】~事業を起こし続けるという重さ~渋谷で働く社長の告白 藤田晋氏

こんばんわ、読書くんです。今回はサイバー藤田氏の一冊。

 

渋谷ではたらく社長の告白〈新装版〉 (幻冬舎文庫)

渋谷ではたらく社長の告白〈新装版〉 (幻冬舎文庫)

 

 

【事業を起こし続けるという重さ】
本書は藤田氏の泥臭い起業日記です。本当に生々しく起業物語が書かれています。

 

サイバーエージェントのビジョンは「21世紀を代表する会社をつくる」でして、これは藤田氏が学生時代に立てた目標です。サイバーエージェントは1998年、藤田氏が24歳の時にインテリジェンスの同期である日高氏、当時学生であった石川氏の3名でスタートした会社です。

 

売るもの、商品さえ決まっておらず、インターネット業界のマルチベンダーを目指し、泥臭く営業だけで生き残ってきた営業会社なんですよね、最初は。ここらへんが生々しくて非常に好きですw(ネット業界の大塚商会)。

 

当時のインテリジェンス社長、宇野氏に言われた一言は「間借りで始めたベンチャーに成功例はない」。要は覚悟の問題であると。最初のオフィスから、身分不釣り合いな数ランク上の賃料のかかるオからフィスを選び、自分たちの手で身分相応な会社に成長していこうと奮い立たせたといいます。これは当時いわゆるネットベンチャーが少なかった中で、採用やプロモーションのためにとった一手としては必ずしも悪手ではなかったのではないでしょうか。

 

会社が始まったときのルールは、週に110時間労働。平日は9-26時まで仕事。土日は12時間ずつ仕事。アルバイトの採用はまったく定着せず、創業3か月目にして正社員採用を始めます。奇策としていきなり新卒採用を行い、成功したのが面白いところ。新卒だか、中途だか忘れましたが、入社一日目に寝袋を持って出社した人の下りは相当笑いましたw「え、ベンチャーって寝袋で泊まるんじゃないんですか?」的な下りw読書くんの夢はいつか寝袋を会社に持参して泊まるという、ワイルドな機会を得ることだったりします笑

 

ただ本書では、ネットバブルの崩壊と共に事業が崩れていき、結果的に仲間も去っていく様が生々しく書かれています。「お前の会社なんかいらねえよ」の下りは鳥肌ものです。最近はなんとなく若者や学生が起業できる時代になってきました。失敗したって死なない、若手だったらむしろ失敗しても泊がつく、なんて軽々しく背中を押す大人もいます。でも本来ビジネスを始めるっていうのはそんな軽いものじゃないですよね。社員も顧客もいて、潰れたら何かしら関係者の人生の歯車をおかしくさせるものです。

 

改めて事業を行う覚悟を問い直してくれる良書です。ぜひ手にとってみてください!ではではー