外資ITのお金とキャリアの話

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【自伝系】起業家 藤田晋

こんばんわ、読書くんです。今回はなんだかんだすごい経営者、藤田氏の一冊。

 

起業家 (幻冬舎文庫)

起業家 (幻冬舎文庫)

 

 

【偉大な会社を作るということ】
本書は藤田氏が起業家として、何をなしてきたか、何を大事にしてきたかという物語。

 

「ユーザー目線」
藤田氏が目指したのは「メディア企業」としてのサイバーエージェント。そのため当初整形を立てていた「広告代理店」からの脱却を目指しました。にも関わらずメディア部門の開発者は、B向け目線しか持っていなかった。当たり前であるが、ユーザー目線のないサービスは絶対にスケールしない、とのことで改革を行ったそうです。これはすごい大事な目線だなあと。メンバー内にその認識の齟齬があるまま進んでいる会社は多いのでは、と思っています。

 

「終身雇用制度」
サイバーエージェントは2000年前後、猛烈に人が辞める会社でした。優秀な人を厚遇し、できない人が会社を去るのは当然だと思っていた当時。ネット業界自体が新しい業界ということで、中途の即戦力はそもそも世の中に多く存在しなかったといいます。そんな中会社を支えたのは新卒入社の社員。採用にお金と時間を大量に費やしてきたが、既存の社員の流出にお金と時間をかける方が合理的だと考えたのです。読書くんはこういった時代の流れに逆行する組織こそが強い会社だと思います。他社と同じことをやっていては偉大な会社は作れない(21世紀を代表する会社になるというのは、やっぱりなんか曖昧すぎて違和感ですがw)。

 

「企業文化の浸透」
ベンチャー企業にとって文化はものすごく大事です。どういう会社にしたいのか、社員にどうなってほしいのか、それをもっとも少ない労力で効率的に伝えることができるのが明文化された企業文化だと思います。ただ、浸透自体はものすごく時間も労力もかかる笑
藤田氏は行動規範をポスターにし、社内の至る所に張り巡らせたといいます。また価値観は小冊子にして全社員に配ることまでやりぬきました。これなんですよねえ、本当に企業文化の浸透に全力を尽くす企業のアクションというのは。地味だけどすごい一手です。

 

「人材に対しての価値観」
サイバーエージェントは、採用・育成・活性化に対してはどんどん投資をしていくというメッセージングをしています。どんなに事業内容が変わっても、良い人を採用し、きちんと育成し、組織を活性化していれば会社は成長できる。サイバーエージェントでは達成した部署に毎月会社から飲み代を支給し、翌日の半休までセットにしています。会社が「社員を大事にするよ」といえば、社員も「会社を大事にしよう」と呼応するものです。また、経験不足でも意思と勢いのある若手を抜擢しポジションにつける方針を徹底しています。会社は学校じゃねえんだよ、が有名ですねw

サイバーエージェントのすごさはこういう藤田氏の徹底ぶりなんだろうなあと改めて思わされる一冊でした。みなさまぜひ手にとってみてください。

ではではー