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【組織】熱狂する社員 企業競争力を決定するモチベーションの3要素 デビッド・シロタ

こんばんわ、読書くんです。今回は骨太な人材マネジメント論を書いた一冊。

 

熱狂する社員 企業競争力を決定するモチベーションの3要素 (ウォートン経営戦略シリーズ)

熱狂する社員 企業競争力を決定するモチベーションの3要素 (ウォートン経営戦略シリーズ)

 

 

【人対人の信頼関係が全てのベース】
著者はコーネル大学、イェール大学、MIT、ペンシルバニア大学ウォートン・スクールで教鞭をとり、フォーチュン誌やニューヨーク・タイムズにも多数寄稿しているデビット・シロタ氏。母校のミシガン大学では社会調査研究所研究責任者を務める。IBM行動科学応用研究所のディレクターを経てシロタ・コンサルティングを創業。シロタ・コンサルティングは、従業員、顧客、地域社会との関係を体系的に評価・管理し、組織の達成能力の改善につなげることで、全米で高く評価されています。

 

昨今よく話題にのぼる「モチベーション」。バブル前後では人々は物欲を満たされること、ステータスを高めることに重きを置いていました。しかし、最近は生まれた頃から十分にモノに囲まれている時代。何のために働くのか、が徐々に変化してきています。ただなんとなくがむしゃらに働ける時代から、モチベーション=やる気がないとパフォーマンスを発揮できなくなっている。つまり企業の業績が、社員の「やる気」に、これまで以上に左右される時代となってきたのです。

 

それでは社員はどうすればやる気を持って、つまり情熱を持って熱狂して働いてくれるのか。著者は、これまで以上に企業が社員を知る努力をしなければいけない、と言っています。大事なのは社員とパートナーシップを結ぶこと。パートナーシップとは、共通の目的に向かってともに働き、相手の利益やニーズに純粋な関心を持ち合う契約のことです。

 

モチベーションには3つの要素がある、と著者は言っています。

1、公平感
「企業目標の達成に向けた社員の自発的な協力」を得るには、彼らが自分たちに対する会社側の姿勢や振る舞いに対して、本質的な公平感を持つことが不可欠である。
要素とは経済的納得感(理由に納得しており、他社よりも給与が高ければ、満足度は高くなる)/安全性(心理的なやつですね)/尊厳(規則への服従が、責任能力を持った社会人として扱われたい欲求を損ねる)/マネジメントの信頼性(不十分な情報しか得られない、そもそも得られる情報が無い)が上げられます。

 

読書くん的にこの中で一番難しいのは、マネジメントの信頼性ですね。これ、ただ情報を開示するだけでは駄目なんですよ。そもそもマネジメント層を、会社を疑っている場合、「本当はもっと他に情報あるんでしょ」と疑われてしまいます。まあようは全部が全部、対人として信頼されるかに帰結しちゃうんですけどねw人として信頼されていなければ、どんな施策を打っても疑われてしまうだよなあ、と。

 

この他にも社員が熱狂し続けるための有益な情報が多く詰まっています。読書くんが繰り返し強調したいのは、全ての施策は人と人との信頼があってこそです。合わせて人間力を鍛える本を読むと、効果は倍増するんじゃないかなーと感じました。ぜひ手にとってみてください!ではではー