外資ITのお金とキャリアの話

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【人事】グローバル社会のために日本企業が考えるべきこと〜人事こそ最強の経営戦略〜 南和気

こんにちは、読書くんです。今回は人事制度についての一冊。その中でもグローバル社会の中での日本企業の人事制度について考える一冊です。

 

人事こそ最強の経営戦略

人事こそ最強の経営戦略

 

 

【グローバルな人事制度とは何か】

著者はSAPジャパン株式会社人事・人財ソリューション本部 本部長の南和気氏。日本企業の強みを活かしたグローバル人事を15年にわたって提唱し、合計200社以上のコンサルをしてきた強者です。

 

そんな南氏が日本型・グローバル人事の教科書として出したのが本書。人材業界に所属していた読書くんとしては胸が熱くなる一冊です。

 

・グローバルな人事制度は3つに分かれる

まず最初に興味を引いたのが、グローバルな人事制度は3つに分かれるということ。

①⇒③に向けてより昨今のグローバル組織に対応した人事制度のトレンドと言えるということ。

①セントラル人事

1つ目が以前から日本企業が取りいれているセントラル人事。読んで文字のごとくセントラル=日本本社の人事が主軸に置かれている制度です。つまり海外支社の中核人財はあくまで日本本社からの出向であり、スタッフレベルのみ現地採用。

 

セントラル人事の良いところは、旧来の人事制度をほぼ変更せずにグローバル展開できる点。しかし裏を返すと、海外支社の中核となるような人材を多く排出できなければ、グローバル展開が加速しないというデメリットもあります。

 

本書で例に出されていたサムスンはセントラル人事の典型ですが、韓国社会は世界的に見ても非常に特殊。財閥だけが就職勝ち組なので、サムスンに入りたい韓国人は山程おり、かつ韓国の若者は相当優秀。優秀な人材の流入が豊富な前提が成り立つ韓国財閥ならではというところ。

②マルチナショナル人事

次が現在多くの日本機が企業が取り入れようと頑張っているマルチナショナル人事。より現地にあった経営戦略を行っていくために、現地支社長も現地人を採用するスタイル。グループ内の上流層にダイバーシティも取り入れられる良い制度ですよね。

 

ただ難しいのがガバナンスとキャリア設計。支社は治外法権なので、本社への忠誠力が薄い現地人だと暴走しやすいよということと、現地社長は現地社長以上のキャリアがないので未来が見えづらいよという点。

③インターナショナル人事

そして現在いわゆるグローバル企業の中でも一部が導入に成功しているインターナショナル人事。国や事業に関わらず、グローバル視点で人材の適正配置を行いますよということ。

 

なので現地採用でも他の国に行く可能性はありますし、急に他国の別事業に配属される可能性があるということ。ただし全員が同じ人事制度に基づくので公平感は相当大きいでしょう。また今まで思っても見なかったような人材交流・交換のシナジーも生まれる可能性はあります。

 

ただし組織力の向上が課題。従来の企業以上に変化が激しくなるので混乱を生むことは必須。企業の団結力が求めれるわけです。

 

・日本のダイバーシティの現実

本書ではこのように、世界的な人事制度について細かく解説してくれるとともに、日本社会・企業の現実についても語ってくれています。※あんまり書きすぎると営業妨害になるので、もう少し本書の内容に触れてから後は考察w

 

また本書内で面白かったのが「日本のダイバーシティの現実」というテーマのところでした。ダイバーシティの難しさと現実について解説した上で、アメリカも日本と同じく旧来の制度で成長してきたものの、それでもダイバーシティ社会を目指し続けた理由について語っています。

 

それはアメリカが社会的構造課題を抱えていたからです。それが1987年に発表された

・高齢化社会になる

・メインだった白人男性の労働者割合が激減する

という2点。ダイバーシティを尊重しなければ、アメリカ社会の成長を支える働き手がいなくなるという危機感からダイバーシティを推し進めてきたわけです。これは耳タコで日本社会について語られることとまるっきり同じですね。

 

それでも日本はいまだに「日本人同士が日本語で仕事をする」環境がほとんどです。移民を正社員として積極的に雇用していくトレンドも生まれてきません。ITベンチャーなどでは海外の学生を採用する傾向も見られますが、日本企業は彼らの中の就職人気上位には上がってきません。アメリカに行けなかったため、ステップとしてに日本を選ばれている、というのが現状です。

 

現状世界は資本主義であり、国としての発言力を保つためには経済成長を止めることはできません。一国だけその流れから降り、それでもプレゼンスを保ちつづけることはできないのです。まあこれは別な議論の場が必要かもしれませんが、なぜ成長をし続ける必要があるのかは難しいテーマですね。

 

また人ではなくテクノロジーでの成長という観点も重要です。本書でも少し話題に出ておりましたがIT、特にAIによる企業力向上はまだまだ話題性に富んでいます。それでもダイバーシティの必要性を否定しうる力はまだまだAIにはありません。これは現在AI分野をまあまあ仕事としている読書くんが断言します。

 

あらゆるものがコモディティ化する中で、人の力はますます重要になっていきます。企業の経営を支える方、企業のあり方を真剣に考えている方々にぜひ手にとっていただきたい一冊です。ではではー

 

 

【ビジネス全般】なめらかな社会をつくるためにぼくたちができること〜We are lonely,but not alone

おはようございます、読書くんです。と、ここまではいつもどおり「ですます」口調ですが、【】以降は割と素の読書くんがメモ書きしたので、感情的です(笑)。いつもとちがう感傷的になりながら前のめりに書いた文章をお楽しみください。

 

 

【それでもまだお金がほしいと思う中途半端さ】

「なめらか」な社会の実現、それがインターネットのもたらす功績となるのだろう。人間が本来の人間らしくいきられる社会。本来とは?例えば子供がお菓子をみて、そのままポケットにいれてしまうことはごく自然なこと(これがAmazonGOだ)。欲しいものをほしいと思ったときに手に入れようとする行為。

 

何を保有しているかで幸せが決まるのではなく、一人ひとりが理想とする幸せを実現する社会。

 

ここで思うのは自己実現欲求vs承認欲求。マズロー的には自己実現欲求がより上位、上位というかそこにたどりつくのが難しい欲求であるとしている。だってInstaがあんなに中毒性を盛っているのは承認欲求を満たすツールとして重宝されているからだ。飽きがくるのも早いが、それ以上に食いついているネットユーザーのほうがはるかに多い。

 

つまり我々はちょうど過渡期に入るのだと思う。そしてその我々をより具体化すると、いわゆる黎明期のアーリーアダプターたちだ。インターネットを好んでいることはもちろん、インターネットで社会がどう変わっていくかに高い関心を持つ人種。世の中には気づかずになめらかな社会になっていく事象を体現している人たちが多くいる。大企業に所属することにしがみつかずに、退職してNPOに転職した人。都心に住むことに嫌気が指し、海辺などの田舎に移住してそこから通勤している人。出世に興味はなく、周りの目など意に介さずに育児休暇・有給などを積極的に取得し家族の幸せを第一に考える人。

 

ただ彼らはそれがちょうど社会の潮目を変えるような行動だという自覚はない。あくまでそれをごく自然に決意し行動に移している。

 

彼らと話すと、我々は別視点で物事をみているのだなあと感じるとともに、頭でっかちになっている自分にも気づく。ただ世の中に変化のきっかけを与えるのはこういう頭でっかちなのだとも思っている(大きな流れを作るのは頭でっかちをは限らない)。

 

読書くんはなめらかな社会が来ることを切望しているし、きっと来るだろうと信じている。だからその体現者が自覚し、そしてもっと大きな波を起こしてやろうという人を増やすために、微力ながら情報を発信していきたい。We are lonely,but not alone. 私達が作っていく社会はきっと明るい。

 

ただ最後の最後に一言カミングアウトしておくと、なめらかな社会を切望する読書くんのような人種でも、お金は欲しいし。というかものすごく欲しい。つまりお金があるかないかでやれることの幅が決まるような生き方をまだしてしまっている。頭ではわかっていても、実現はできていないのだ。(なんでこの文章を最後に書いたかというと、途中まで書いてて自分を持ち上げ過ぎじゃない?とちょっと気持ち悪くなったから笑)。

 

頭の中は新世代だが、現実世界では本書の中で言う問題発見型には慣れていない。立ち止まってしまっているのだ。きっとこういう人は多いのではないか。だからこそせめてネット上で声をあげよう。少しでもなめらかな社会に貢献できるように。では

【人事】本気で日本一働きたい会社を作ろうとしている羽田本部長の話を聞きに行ってみた〜日本一働きたい会社の作り方〜

こんにちは、読書くんです。今回はHOMESで有名な株式会社LIFULL人事本部長の羽田さんの本について。

 

日本一働きたい会社のつくりかた

日本一働きたい会社のつくりかた

 

 

【本気で採用したから本気で引き止める】

株式会社ネクストのほうが聞き覚えのある方もいるのではないでしょうか?HOMESを運営する株式会社LIFULLという名前になったのは2017年に社名変更。ちなみに働きがいのある会社、アジア地域における働きがいのある会社の両方でベストカンパニーに選ばれたのも同年です。変更後のLIFULLという名前は、海外や新規事業にもともと使われていたもので、「あらゆるLIFEを、FULLに。」という意味があるといいます。住宅事業から派生し、人々の生活に根付くあらゆる事業に多角化を図っていく意図がある(あると読書くんが思っている)同社としては、LIFULLがしっくり来る名前だったんでしょうね。

 

さて前置きが長くなりましたが、本書はそんな働きがいのある会社を作り上げてきた人事本部長羽田さんの一冊。組織・制度・採用まで余すことなく記しています。そしてそして本を読みながら興奮した読書くんは、興奮しすぎて羽田さんが登壇するLIFULLのセミナーにも出席(笑)。良くも悪くも本以上に新しい話はそこまでなかったのですが、そこにぶれない強さをお見受けしました。。。

 

特に読書くんが感銘を受けたのは採用周り。もともと読書くんの専門領域でもあったので胸が高鳴ります。そこでまじで徹底されてるなと思ったのが「経営理念と企業文化に合った人材を採用する」ということへのこだわり。これ王道も王道ですけど、その王道をどれだけ愚直にできるかが大事だと思っております。1つが社長のコミット。いまだに定期的なトップライブに出てこられ、更には面接もほぼ必ず最終は社長!!!あの規模でですよ!!!!!面接の中で必ず見極め担当を一人ははさみ、経営理念と企業文化に合った人材を採用するのであると。見極めは非常に高度なスキルと経験が必要なので、基本的には社長か羽田さん。未だに見極めができるように育てている段階なのだと。そしてもう一つ、より感銘を受けたのが「退職者は役員全員で引き止める」ということ。ここ勘違いしてほしくないのが、必ず全員で引き止めるんです。よく引き止めうぜー、って会社ありますよね?笑。あれって後出しジャンケン的に言い訳がましく後から後から色々な人があの手この手で情に訴えてくるから悪いんです。でもLIFULLは元々が厳選採用、しかも「経営理念と企業文化に合った人材を採用した」という採用が前提にあるので、そんな人達を辞めさせるわけにはいかない、最後までうちに残ってもらえるように話し合いたいという本気が伝わってくるわけです。もうこれはね、なんというか、素敵なんですよw

 

基本的に退職してしまうときは思いの掛け違いが起こっているんだと思います。もちろん従業員側が勘違いしていることも多々あるんですが、それが起こるのは上層部の怠慢でもあるわけで。採用したからには責任を持つ、どんな状態に陥ってしまっていても本気で耳を傾けてやり直す機会を探る。そういう上層部であってほしいし、きっとLIFULLならそうあろうと努力し続けてるんだろうなと。ああー、読書くんも転職したい、かも!笑ぜひ本書を手にとってほしいですし、機会があれば羽田さんの話を直接聞きにいってみてください。誠実さと落ち着いていながらもあの熱量、絶対に惚れます。男でも男に惚れます笑という気持ち悪い発言がでたところで、今日はここらへんでー

【ビジネス全般】なめらかなお金がめぐる社会を読んで考えた評価経済について

こんにちは、読書くんです。今回は読んでる途中でもんもんと自分が考えたことについて書きたくなった一冊。全部読み切ってないので、中身違うじゃん、と思った方はあしからず。あくまで途中まで読んでの感想です笑

 

なめらかなお金がめぐる社会。あるいは、なぜあなたは小さな経済圏で生きるべきなのか、ということ。

なめらかなお金がめぐる社会。あるいは、なぜあなたは小さな経済圏で生きるべきなのか、ということ。

  • 作者: 家入一真
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【評価経済の懸念と解決方法について】

著者はIT業界では有名な家入氏。ニートでひきこもり的な青年時代から起業して一発当てて、いまはお金持ちなあのひとです。でも、そんなお金持ちになったいまでも、ポエム的な発言は的を得ていることが多くて、いまだに根暗な読書くんの心をくすぐる発言が多いです。

 

そんな著者が本書内で「評価経済はいい人でいなければならない圧力がかかる恐れがある」と書いてあり、すごくしっくりきた内容であるとともに、でもそうならないような仕組みづくりは案外簡単なのでは?とおも思いました。評価経済とはスキルとかお金とかではなく、信頼で成り立つ経済のことですね。家入さんが例に出していたホームレス芸人の小谷さんとかは、まさに他者からの信頼や期待で生活を成り立たせています。

 

またキングコングの西野さんは、小谷さんをホームレスにした張本人で、かつこの評価経済の意味を正しく理解し実践している方です。そしてこのふたりとも、本質的にはいい人ですが、必ずしも大多数にいい人と思われているかというと決して違うとおもんですよね。それは評価というものを紐解いていくと、善悪だけで構成されているのではなく、例えばスキルとか、共感とか色々なものが内包されていると思うんですよね。だからいくら性格が悪くて、時には汚いことをして、あるサイトからは出禁をくらっていたって、他のサイトではシニカルな表現がすごく受け入れられていて評価が高ければ、その悪い方は相殺されて、むしろ社会からの評価はプラスに働くんじゃないかなと。

 

つまりツラツラ書き連ねましたが、一部の言動だけで全体の評価が決まるのではなく、あらゆる言動を統合させて、ちゃんと評価を出す仕組みがあれば「全てにおいていい人であろう」という強制力は働かないのではないかなと。・・・あまりうまくまとめられてませんかね?笑

 

なにはともあれ最後の最後にひっくり返しますが、評価の高い人達は「芯がある人」ばかりだと思います。だからときおり炎上することがあったり、批判が集まることはあっても、芯がある人は干されても必ず復活するんですよね。いい人であるかどうかなんて意識せずに、人としての芯を築き磨き上げていく。そうすれば誰もが自分らしく生きていけるんじゃないかなあと。。。本日はポエムっぽく終わらせてもらいます、ありがとうございました笑

 

【その他】ポーカーを制してカジノを制したい〜エド・ミラーのポーカースクール〜

こんばんわ、読書くんです。読書くんブログを今まで読んできてくれた方にはわかる(笑)、読書くん大好きなポーカーについての一冊。

 

エド・ミラーのポーカースクール ──ライブゲームで勝つ (カジノブックシリーズ)

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【初心者から中級者になるために、マイクロレートでの鉄則をつかもう】

今年少し話題となりましたが、日本におけるカジノの入場料が(日本人)6000円には決まりましたね。どこに建てるかはいつ正式決定するのやら。。。まあさすがにいつかは建つだろうということで、にわかポーカープレイヤーの読書くんも日々腕を磨いております。

 

本書は基礎ルールは把握し、オンラインポーカーやポーカーバーなどのオフラインでも少しプレイを重ねてきたけども、なんだかんだ負け越してるよね?これ、ガチでリアルマネーでやり続けても勝てなくね?と悩んでいる、初級から中級の間くらいの方に最高な一冊です。

 

・マイクロレートで相手の実力を過信しない

上記レベルの中で、最も学びになったのがここ、本当にここにつきる。なまじルールを覚えたり、プロのプレイをYoutubeなんかで見た方は、「フロップでヒットしなかったときは降りよう」とか、「ターンでそれなりにコール(レイズ)してしまったから、リバーでは降りないのが鉄則だ」とかとかいうプレイになってしまったりしていませんか?そして最終的にいつの間にか負け越している、なんていう悪循環に陥っているのではないでしょうか。「基本には忠実なのに・・・」これが大きな落とし穴です。

 

そもそも基本中の基本は、相手がそれなりのプレイをすることを前提としています。つまり適度にプリフロップでフォールドし、適度にコールレイズし、適度にターン・リバーで降りれる人を想定しています。本書が共著したいことは「マイクロレートではほとんどのプレイヤーが弱者である」ということです。大抵の人は必要以上にプリフロでコール・強いハンドならレイズ、そしてプリフロでヒットしなければすぐにあきらめ、ターンリバーでは強い手のときに大きく張ってくるのです。はい、結論、弱い人がどう動くかというのは読みやすく、マイクロレートではほとんどが弱い人であるという認識で動くことが王道なのです(強い人はそんな低いレートでわざわざやらないと)

 

もうね、これだけで道がひらけますよw最初に100Pですでに金言、100ドルくらい払う価値のある金言です。いまポーカーを少しやり始める人、これから海外のカジノに行こうと思っている人、いつか日本のカジノがオープンしたら行こうと思っている方。カジノで稼ぐには、そして人生を楽しむ上で、ポーカーというスポーツほど面白いものはない、と読書くんは思っています。ぜひ本書を手にとってみてください!ではー

 

【テクノロジー】初めてのディープラーニング --オープンソース"Caffe"による演習付き 武井 宏将

こんばんわ、読書くんです。今回はかなりテック系な一冊。とはいえ、最近流行りの「ディープラーニング」についてなので、トレンドを掴んでおきたい人にはおすすめな一冊※ちょっとむずかしいけどね。

 

初めてのディープラーニング --オープンソース

初めてのディープラーニング --オープンソース"Caffe"による演習付き

 

 

【機械が学習するにはデータが必要】

他の本のご紹介でも何度かお話しましたが、昨今話題になるAI(人工知能)は、みなさんが期待しているものとはかなりかけ離れたものであると言っても過言ではないと思っています。前提条件として莫大なデータが必要で、そうそう簡単にディープラーニングを実行できるものではないのです。

 

じゃあAlphaGoは?というお話になるかと思いますが、あれはあれはすごいですね。ただすごーく冷静になると、囲碁という知能スポーツは、いくら次の一手の選択肢が数多あるといっても、計算しきれるものであるということ。19路×19路の中で戦うということから外れることはないのです。また盤上で起きていること、プレイヤーがそれぞれが持つ選択肢は明らかになっています。例えばポーカーだと、最後に手札をオープンするまで相手が何を持っているかはわかりません。つまり見えない部分での駆け引きが生じてしまいます。囲碁であればもはや相手が誰であれ、負けることはないのではないでしょうか。それが運や駆け引きが残るスポーツだと、対応しきれないのが今の人工知能だと思います。

 

さてさて、話がだいぶそれましたw。本書の良いところは、ディープラーニングの種類や仕組みについて、初心者向けに非常に丁寧に解説してくれているところ。なかでもCNN(Convolutional Neural Network)とRNN(Recurrent Neural Network)についての解説は非常にわかりやすい。

 

CNNは最近のAIブーム(第三次)をもたらすにひとやくかった、画像分野で著しい成果を残したやつです。機械が機械自身で画像の特徴を見つけることができた、素晴らしい事例ですね。RNNは可変長のデータに強いため、音声などの学習に強みを持ちます。つまりデータの種類によって。どの種類のディープラーニングを使うかを考えなければなりません。そしてそのデータの準備や、実際に機械に受け渡す際のデータの処理がものすごく大変なのが、いまの機械学習の現実です(初心者ながら挑んだ読書くんも、本当に悪戦苦闘の日々でした。。。笑)

 

しかし本書を通じて思ったことは、薄く広くでもテクノロジーを理解しておくことの重要性です。トレンドを掴んでおけば、商機が来たときに正しく掴むことが出来ます。またしったかぶりがなくなることも大事ですね(まあにわか知識でしったかぶりが加速することもありますが笑)。AIって何!?とざっくり興味を持って、少し深く足をつっこみたい非エンジニアの方におすすめする一冊でした。ではではー

【自己啓発】仕事は楽しいかね? デイル・ドーテン

こんばんわ、読書くんです。今回は過去仕事で凹んでたときに相当助けられた一冊。

 

仕事は楽しいかね? (きこ書房)

仕事は楽しいかね? (きこ書房)

 

 

【まだよくなる、もっとよくなる】

本書を読んだときは、それこそ本当に結果が出ずに、すべてを周りのせいにしていたとき。どうみても底辺にいるときに、上司になったばかりの人が勧めてくれました。「仕事は楽しいかね?」最初はなんのあてつけかと思ったものです。

 

「もっとよく出来ないかなあ」という章から本書は始まります。なんだか入社当初はよく考えていた言葉だなと。本書では会社には一握りの宝がいる。会社のほとんどが入れ替わっても問題ないけども、それ以外の人握りがいると。そして彼らは「完璧以上に素晴らしい」と。なんだそれ、完璧以上に良いものなんてあるのかよ、と単純に思ったものです。

 

その頃の自分は、自分がやりきっていると思っていました。ここまでやったのだから仕方がない、買わないのは顧客や商材や周りが悪いと。本書における完璧以上に素晴らしい一握りは、可燃型の性質を持つといいます。◯◯といると、仕事が楽しくてたまらないとみんなを向上させ、向上する喜びを与えてくれるのだと。そして彼らと話していると、周りもやれるんだという気持ちになり、生産性も上がるのだと。そんな彼らの口癖は「もっとよくするためにはどうすればいいだろう?もっと試せることはないのかな?」。

 

もうこの章で泣きそうですよね笑 うまく言っていないひとは一度自分の最近を振り返ってほしいのですが「もっとこうすればよかった」と思うことが減っていないでしょうか。とりわけ結果が悪いものに終わったときに外部要因のアラを探してはいないでしょうか。外部要因を探して、言い訳を作るのはとてつもなく簡単です。実際自分がそうでした。そんなときに「もっとこうすればよかったのでは」と思えるか、更にはよかったときにでさえ「もっとよくするためにはこうすればよかったのでは」と思えるか。PDCAを回し続けましょうとかお客様に言っていたのに・・・

 

「人と接するときは、人は計り知れない価値を持った存在であると、常に意識しなければならない」。隠れた人材価値という本にもこう書いてありました。つまり限界を決めているのは自分なんだと。本書はマネジメントをする方々にも非常に勉強になると思います。自分の限界を決めているのは自分、そして往々にして部下に限界を決めているのが上司です。まああいつならこれくらいだろうとか、あいつに◯◯は無理だろうと成長を止めてしまっている可能性を自問してみてください。「そんなことないよ」と思った方は赤信号です。ここで「〜のとき、そういう傾向があったかもしれない」ともっとよくできるかも、と思える方が一握りの宝です。

 

たかがマインド、されどマインド。良い会社で、気持ちが腐っていて一番活躍している人を見たことがありません。逆に気持ち腐ってるけど一番活躍している人は、その会社に早く見切りをつけましょう、伸びませんw本書の紹介は本当に触りも触り。とてつもない良書なので、ぜひ一度手にとって見てください。ではではー