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【経営】言える化 「ガリガリ君」の赤城乳業が躍進する秘密 遠藤 功

こんばんわ、読書くんです。今回はみんな大好きガリガリ君を作っている赤城乳業さんの一冊。

 

言える化 ー「ガリガリ君」の赤城乳業が躍進する秘密

言える化 ー「ガリガリ君」の赤城乳業が躍進する秘密

 

 

【強く小さい会社を意図的に作る】
著者はローランド・ベルガー日本法人会長の遠藤氏。コンサル目線で赤城乳業のすごさを解説してくれています。

みなさん、ガリガリ君と聞いて何を思い浮かべますかね?安い?種類がやたら多い??キャラクターがかわいい???全部当てはまってますが、なんとなく定番になっていて、なんとなく売れている、という印象が大きいのではないでしょうか。

遠藤氏は「ガリガリ君が売れるにはワケがある」と語っています。
赤城乳業さんの2012年売上は353億円。かつ成熟化した市場で、6年連続増収を達成しています。看板商品である「ガリガリ君」はここ数年驚くほどの勢いで売上を伸ばし、2012年の売上本数は4億3000万本。本数で言われてもピンとこないけど(笑)

かれらが目指す会社像は「小さくても強い会社」。「弱小」ではなく、「強小」を目指しています。そしてそのために浸透しているのが「言える化」だと言っています。

赤城乳業で「言える化」が機能ししている2つの工夫
①「言える化」を実践する「場」の設営
・11の委員会と5つのプロジェクトが、縦割り組織に横串しを刺すように編成され、社員たちが縦横無尽に動き回る
・リーダーは年齢や役職に関係なく、目的遂行に最も合致した人が選ばれる
・入社数年目の若手が抜擢される事もある
→「自分たちに任されている」と自覚する事が「言える化」につながる

②「言える化」を加速する「仕組み」の構築
・失敗にめげない評価の仕組み
→挑戦に伴う失敗を、通常の人事考課とは切り離して処理
→失敗は帳消しとなり、通常の人事考課には影響を与えない
→むしろ挑戦した事は加点として評価される
・部下が上司を評価する仕組み
→部下が上司について評価するシートが用意されている
→評価シートは上司を経由せず、直接人事担当者に送られ、それに目を通すのは社長、専務、管理担当役員のみ
・「学習する組織」へ脱皮する仕組み
→「赤城社会大学」と呼ぶ研修プログラムをつくっている
→さらに、自己啓発を目的とした多様な通信教育を充実させている
帰属意識を高める仕組み
→社員旅行など仕事を離れたコミュニケーションを増やす事で、お互いを知り、心が開く状態をつくろうとしている

・「ガリガリ君」などの主力商品は、プロジェクト方式で開発が進められる
・商品開発部門だけでなく、製造や品質保証、営業など機能横断的なメンバーが抜擢。
・1人ひとりの裁量権が大きい
・社内では「放置プレイ」と呼ばれるほど、任せたら余計な口出しはしない
・本人がアップアップするまで、追い込んでみるのが、赤城乳業流の人づくり
・「上から目線でなく、下から目線で見ていくことが大切」
→常に社員の立場を考え、下からの目線の考え方が根付いているため、若手社員でも自由闊達に何でも「言える」

本書の触り程度の紹介ですが、それでも参考になる点が満載ですね。大きい会社ほど正義、安全だという神話がはびこりがちですが、ぜひこういった小さい優良企業の経営から多くを学びたいですね。ぜひみなさんもてにとってみてください。
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ではではー